冷え込む韓国の音楽業界…その理由は“聞く歌がない”

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写真=マイデイリー DB、gettyimagesKorea、Multi-Bits.
ほぼ毎日のように新曲がリリースされている現在の音楽市場で、人々はどのくらい音楽を購入しているのだろうか。

公認音楽チャートであるGAONチャートによれば、11月の1ヶ月間に一番多く愛された音源は、歌手イ・ハイのデビュー曲「1.2.3.4」(1億3239万1547点、以下:GAON指数)が占めた。2位は、ヒップホップデュオGeeks(ギックス)とガールズグループSISTARのソユが共に歌った「Officially missing you, too」(1億1347万4200点)、3位はAileeの「見せてあげる」(8538万1580点)、4位はNoel(ノウル)の「Things that I couldn't say(言えなかった言葉)」(8377万1185点)、5位はPrimaryの「?」(8363万8638点)がランクインされた。

GAON指数は、ストリーミング、オンラインダウンロード、BGMセールス、モバイルセールスを合算した数値で、該当曲がどれほど販売されたかを表す指標である。

同サイトで昨年の同時期、2011年11月のデジタル総合チャートを見ると、1位はWonder Girlsの「Be My Baby」(1億7181万3840点)、2位はT-ARAの「Cry Cry」(1億3018万9557点)が占めた。続いて3位にはホ・ガクの「死にたいという言葉しか」(1億1480万7530点)、4位はULALA SESSIONの「西の空」(1億1348万3848点)、5位はNoelの「I Miss You」(1億0277万2513点)がランクインした。

昨年と比較すると、今年の音源の販売量はかなり低い水準だ。今年11月のデジタル総合チャートで1位から5位を占めた音源のGAON指数を合算すると4億7165万7150点で、前年同期比(6億3306万7388点)の74%にも及ばない数値である。それだけ大衆が音楽をあまり聞かなくなったということだ。

では、その理由はなんだろうか。実際、聞く歌がないという意見がほとんどを占めている。現在、音楽界を率いてリードしている流れや、代表するような人がいない。温かい感性バラードの“ヒーリングミュージック”がトレンドとして浮上し、イ・スンギが着実に音楽チャートで上位圏にランクインされているものの、期待より大きな波及効果がない状況である。

ある音楽関係者は、「昨今の音楽市場が不況であるため、音源を公開したり、一時的に話題に上がったりすると、音楽チャートで上位圏に入る場合が多い。これは、これまでの音楽チャート1位より少ないダウンロード数でもロングヒットに繋がるということを意味する」と語った。

特に、今年上半期「江南(カンナム)スタイル」を通じて世界的なブームを巻き起こし、国際歌手の仲間入りを果たしPSY(サイ)以外には、大きな頭角を現す歌手はいない。これまでBIGBANGのG-DRAGON、Brown Eyed Girlsのガイン、EPIK HIGH、Ailee、イ・ハイなどが一定期間、音楽チャードで上位圏にランクインし人気を集めた。

これに関連して別の音楽関係者は、「今年の音楽界は、上半期にはBusker Busker、下半期はPSYを除けば、大きく言及するほどの流れはなかった。他には、グループのソロ活動や、男女ソロアーティストたちが人気を集めたくらいだ」と評した。

続けて、「人々が音楽をあまり聞かない理由は、景気が良くない理由も大きいと思う。音楽を楽しんで聞くだけの生活に余裕がないことも、音楽不況の問題ではないのか」と付け加えた。

記者 : チェ・ジエ