「会いたい」の運命の4人、彼らは成長中

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ロマンスと推理を絶妙に織り交ぜるドラマ、キャラクターたちの成長に期待

ドラマ「会いたい」の4人の主人公は、それぞれ幼い頃の心の傷を抱えている。14年が経った今も、それは癒されずにいる。自身の中から、そして周りからの心理的・状況的恐怖が、今なお散在する。未だ謎のままの事件の中心に立っている4人の主人公たちについて調べてみた。

(C)MBC

ハン・ジョンウ、運命を開拓するアクティブなエネルギーの持ち主

ほとんどのドラマにおいて、男性主人公たちはとても独立的だ。「会いたい」の場合も同じで、ハン・ジョンウ(JYJ ユチョン)は父ハン・テジュン(ハン・ジニ)の影から逃れた。安定した未来が保障されていた生活を捨て、スヨンの母キム・ミョンヒ(ソン・オクスク)と一緒に暮らしていた。

彼はキム・ミョンヒとキム刑事(チョン・グァンリョル)の娘キム・ウンジュ(チャン・ミイネ)、腹違いの妹ハン・アルム(イ・セヨン)にとって柱のような存在。イ・スヨン(ユン・ウネ)に対する罪悪感で14年間生きてきたが、3人と交流することで安定を取り戻すことができた。同僚の刑事との友情も彼の安定に役立った。彼には「クレイジーラビット」という逞しいニックネームがあるが、周りを明るくするエネルギーを持っている。

イ・スヨンに対する罪悪感は、彼にとって最も大きな問題だ。また暴圧的な父に育てられた経験と拉致、周りの人の不幸な死などの経験をしたので、心に深い傷を負っている。しかし、彼は自身が罪悪感を持つようになった行為から逃げたり、合理化したりせず、堂々と運命に立ち向かって来た。今、イ・スヨンと再会した彼は、そのアクティブなエネルギーを発揮する機会を探すことになった。

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イ・スヨン、癒されなかった14年、克服する方法を探さなければ

彼は14年をカン・ヒョンジュン(ユ・スンホ)に守られながら過ごした。不安な心理状態のイ・スヨンが、財力と強い所有欲の持ち主の彼に頼るしかなかったと考えられる。ハン・ジョンウへの恨みと世の中への恐怖など、悲惨な心理状態から逃れられる環境が整ってなかったためだ。

イ・スヨンがパリから帰国するときに空港で見せた萎縮した姿は、現在の彼女の心理状態を物語っている。母に再会した場所でも、彼女には罪悪感と不安がそのまま残っていた。14年前に殺人犯に追われた父の被害者たちが襲い掛かったとき、謝りながら自責していた頃から一歩も踏み出せなかったのである。

しかし、カン・ヒョンジュンから逃れたとしても、ハン・ジョンウとキム・ミョンヒの献身の後ろに隠れることを選ぶのではないかと懸念されるのも事実だ。不幸を自身の失敗だと思う傾向を克服する方法を学べなかったためだ。しかし、14年間受けられなかった全うな愛を通じて、少しずつ癒していくのが今の彼女には最善だと思われる。

カン・ヒョンジュン、小屋で育てた復讐心、爆発力を得る

このドラマで自身への哀れみがもっとも強いキャラクターがカン・ヒョンジュン(ユ・スンホ)だ。無念の死を迎えた母(チャ・ファヨン)に対する復讐心は、彼のアイデンティティの構成に大いに影響を与えた。またお金が持つ影響力がどれほど大きいものかを幼い頃から心得たので、それを利用することにおいて迷いがない。

またイ・スヨンと同じくらい、世の中への恐怖を持つ子供のような状態だ。復讐心を駆り立てた彼の財力とイ・スヨンという存在は、彼を支えた2本の柱だった。しかし、後者の変化の兆しに不安になり始めた。家庭と社会から拒まれた経験から疎外感を覚えた彼は、“社会化”されてない子供のような大人に成長した。

彼は幼い頃、部屋に閉じ込められた際に火事を起こして脱出を試み、キム刑事の死にも関わっている。その他の様々な事件に、彼が関わっていると疑うのも無理ではない。問題を暴力的方法で解決することが日常化されたこと、憤りが積もった状態で色々なことに罪悪感を感じられないこと、いや、感じようとしないこと。まだ“小屋”に閉じ込められた子供のままの彼を助けるのは誰なのかを見守るのも楽しみだ。

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キム・ウンジュ、幼い頃に閉じ込められてしまったキャラクター、これからは火を付ける必要がある

「会いたい」で一番残念なキャラクターだ。幼い頃の彼女は、一見お茶目で不良に見えるが、正義の味方で、人情のある父親の気質を受け継いだ少女だった。父の思わぬ死で心に傷を抱いているが、なぜか大人になってからはドラマでほぼ疎外されている。

ドラマ全体に存在感をアピールしていたキム刑事の人間らしさを代替するのは、スヨンの母キム・ミョンヒの役割になった。イ・スヨンのいない14年間、一つの屋根の下で暮らしたハン・ジョンウとスヨンの母、そしてキム・ウンジュの間には、家族の情ができたのではないだろうか。しかし、母子のように見える二人に比べ、キム・ウンジュはよその人のように見えるばかりだ。

キム・ウンジュは3人に比べ、比較的に健全な幼年時代を送った。このキャラクターが重要な理由は、その健やかさがドラマのバランスを維持するためだ。幼い頃の彼女を思い浮かべてみよう。ハン・ジョンウを初めて見た瞬間から好きになったが強要せず、最初はイ・スヨンを拒んだが、結局彼女を哀れに思い、受け入れたのではないか。父キム刑事の謎の死を究明するにおいて必要な装置として、このキャラクターに火をつけなければならない理由だ。

記者 : ハン・ギョンヒ