【PEOPLE】チャ・テヒョンを構成する5つのキーワード

10asia |


チャ・テヒョン

「幸せなのか知りたいですか?はい、幸せです。幼い頃から、芸能人になったら必ずやってみたいことが3つあったのですが、それをすべて叶えました。それは、1つ、30歳で結婚すること。2つ、結婚して子供がいるキャラクターを演じること。3つ、普通の人を演じることでした」――チャ・テヒョン「VOGUE」とのインタビューより


チェ・スミン

チャ・テヒョンの母親。
以前、韓国のアニメ「ヨンシミ(14歳の少女ヨンシミの心理をコミカルに描いた物語)」と「走れ!ハニー(韓国の昔のアニメで健気に頑張る少女の物語)」の声優として活動していた。父親のチェ・ジェワンは“俳優になりたかった”KBSの制作スタッフだったため、チャ・テヒョンは生まれる時からテレビに縁のある人物だったのかもしれない。実際、チャ・テヒョンは父親と母親からまるで“話をするような”演技を学んだという。特に、母親から教わった自然な演技は、チャ・テヒョンの演技に大きな影響を与えた。時々、演技なのか現実の姿なのかよく分からなくなる彼の演技は、母親から教わった演技に基づいたものだと言えるだろう。さらに、チャ・テヒョンは1995年KBSスーパータレント選抜大会に合格する。当時、自己紹介をする時、「50番。自己紹介終わり」と言ったほど自信満々で、パンソリ(朝鮮の伝統的民俗芸能)をコミカルに歌うほどユニークな個性を持っていた。もしかしたら、彼はこの時からすでに“チャ・テヒョン”だったと言えるかもしれない。

キム・ジョンウン

MBC「ひまわり」で共演した女優。
KBSにて主演級で出演することが決まった作品が制作されず、なかなかチャンスを掴むことができなかったチャ・テヒョンは、KBSとの契約が終わった後、「ひまわり」に出演し、一気に注目を集める新人になった。いつもそそっかしい行動で人々を笑わせながらも、キム・ジョンウンが演じる患者を愛する姿は、“純情男”そのものだった。従来のドラマに存在したラブストーリーを引っ張るかっこいい男性ではなく、50分間笑わせて10分間は泣かせるというコミカルな恋愛キャラクターの登場であった。チャ・テヒョン本人だと言ってもいいほどのキャラクターの登場。

チャン・ヒョク

MBC「日差しに向かって」で共演した俳優であり、チャ・テヒョンの長年の友人。
チャ・テヒョンは「日差しに向かって」で再び注目を集め、俳優としての地位を確実なものにした。チャ・テヒョンはこの作品でコミカルな姿を見せるのではなく、反抗的な御曹司を演じた。他の俳優たちにとってはよく演じる役だが、今のチャ・テヒョンから考えれば逆に目立つ作品である。また、SBS「Happy Together」では、面白いがだらしないヤクザ役であった。当時、チャ・テヒョンがこのような役により関心を持っていたら、彼の演技は少し変わったのかもしれない。しかし、チャ・テヒョンは数日後、「猟奇的な彼女」に出会う。

チョン・ジヒョン

SBS「Happy Together」と映画「猟奇的な彼女」で共演した女優。
「Happy Together」で話題を集めた二人は、「猟奇的な彼女」で爆発的な人気を博す。もちろん、“彼女”であったチョン・ジヒョンの方が、より話題性が高かったが、映画の中でチョン・ジヒョンが見せてくれた猟奇的な姿をすべて受け入れたチャ・テヒョンのキャラクターも話題になった。女性に対し、あえてリードしようとしたりかっこいい姿を見せようとする代わりに、純粋な姿と一人だけを見つめる純情さを持つと同時にコミカルな姿を見せてくれるキョヌのキャラクターは、過去には主人公ではなく主人公の友達役に近いキャラクターだった。だが、彼はこの役を男性主人公にし、以後、多くの作品で様々な女性主人公たちと呼吸を合わせるようになる。映画「君に捧げる初恋」「永遠の片想い」「僕の、世界の中心は、君だ。」などは、チャ・テヒョンのこのようなイメージの中でコミカルさと恋愛話のどちらかを強調した作品だった。チャ・テヒョン自身も、歌うキョヌ(『覆面ダルホ~演歌の花道~』)、おじいちゃんになったキョヌ(『過速スキャンダル』)、馬に乗るキョヌ(『CHAMP』)など、キャラクターが繰り返されていると話したことがある。もしかしたら、チャ・テヒョン自身であるかもしれないキャラクター。

ユン・ジョンシン

チャ・テヒョンの歌手デビューを手伝ったミュージシャン。
1997年、チャ・テヒョンに出会った後、彼に歌を教え、アルバムの制作を手伝った。デビュー曲「I Love You」を歌った当時、リップシンク(口パク)をしたことを非難する人々に「この曲はメディアムテンポのダンス曲なので、リップシンクで歌った方が楽しい」と言ってずうずうしく非難を避けた後、バラード曲はライブで歌った。このふざけた姿さえまったく憎くないキャラクターが映画にも反映されたのだと思う。「I Love You」は大ヒットし、アルバムが40万枚以上売れた。チャ・テヒョンが自分でも「映画、アルバム、ラジオが不思議に思えるぐらいすべて」成功したと言うほど彼の「短くて太かった全盛期」だった。しかし、チャ・テヒョンはキャラクターがはっきりしているだけ、演じられる役の幅があまり広くなく、「観客たちが僕のコメディに飽きているようだ」と自ら感じ始めた。そして、MBC「いつか楽園で!」が最初の反応と違い興行的に失敗し、彼は自分が人気を失うかもしれないという恐怖に苦しむようになる。そして、飛行機の中で突然、息ができなくなった。それが、パニック障害の始まりだったのである。生まれてから常に明るく愉快に見えた人の顔に、影ができ始めた。

チェ・ソグン

チャ・テヒョンの妻。
チャ・テヒョンが高校時代に出会った初恋の相手。その後、結婚までしたチャ・テヒョンの唯一の恋人である。チャ・テヒョンはチェ・ソグンが認めるほど彼女だけを愛し、現在は「優しくて家庭的。龍山(ヨンサン)区でトップ」と認められるほど、家庭を大事にする家長だ。また、彼の妻はチャ・テヒョンがAVを見たことに気づき、夫がMCを務めるラジオ番組に投稿するといった、夫以上のセンスを持つ女性だ。チャ・テヒョンはこんな妻について「『猟奇的な彼女』の“彼女”と同じ様な性格なので、いつも面白い」と言う。そして、チャ・テヒョンが女優たちに“姉さん”と呼ばれるほど、女優とコミュニケーションがうまく取れる理由も、そんな妻がいるからであろう。しかし、チェ・ソグンはチャ・テヒョンの人気が高い時にもそばにいて、パニック障害で苦しむ時はチャ・テヒョンが信じて頼ることができる精神的な支えになった。それが、チャ・テヒョンが妻と子供たちに献身的にするしかない理由だろう。彼は結婚について「結婚をして、良くないことは一つもない」と話した。

パク・ボヨン

映画「過速スキャンダル」で共演した女優。
チャ・テヒョンは結婚後、自分の現実と似合わないという理由でラブストーリー映画には出演しなかった。その代わり、彼は変わった自分の状況を映画に移入した。彼は「覆面ダルホ~演歌の花道~」で覆面をかぶったままトロット(韓国の演歌)を歌う人気のないロッカーに扮し、「過速スキャンダル」では人気が落ちたDJを演じた。以前ほどではないが、それでも自分の人生を憂鬱に生きないチャ・テヒョンの演技は、現実と区別がつかないほどだった。チャ・テヒョンも「過速スキャンダル」が「僕の状況とかなり似ているため」出演を悩んだ。しかし、観客たちはこのようなチャ・テヒョンの姿をむしろ自然に受け入れ、ワン・ソクヒョンとパク・ボヨンに分別のない父親のように接するチャ・テヒョンの演技は、恋愛話がなくても共演俳優の才能を引き上げた。結婚をして父親になってもチャ・テヒョンはチャ・テヒョンだった。彼には方向を少し変えることが必要だっただけだ。

パク・チュンフン

チャ・テヒョンが尊敬する俳優。
映画「あぶない奴ら TWO GUYS」で共演したことがあり、パク・チュンフンは彼に「お前は僕の若い頃と似ている」と言った。チャ・テヒョンはデビュー以後、愉快なキャラクターを演じることが多く、自分の実際の姿を反映した演技をした。自分でも「年を取ったら演技の幅が広くなるだろうから、今はうまくできることをすればいい」と言ったことがある。分別がないように見えるが憎くなく、父親になっても子供のような感じがして、どんな女性とも似合う彼のキャラクターは、相手の女優が思いきり自分の魅力をアピールできるようにする。しかし、年を取るにつれ、目の中にいたずらっぽさを込めている役を演じ続けることは難しくなる。チャ・テヒョンは「主演俳優になること」と「スターになることが夢」だったし、それを叶えた後は「一生、演技をすること」が夢である俳優だ。もちろん、悪いことさえ起きなければ、チャ・テヒョンは一生演技をすることができるだろう。ただ、何をするかが問題だ。

キム・ジョングク

チャ・テヒョンの親友の一人。
チャ・テヒョンはSBS「ニュー!日曜日は楽しい-ファミリーがやってきた」で、キム・ジョングクをからかったりいじったりして、“チャ・ヒビン”というニックネームがつけられたほど話題になった。バラエティに合うだろうと思った俳優が、本当にバラエティで期待以上の活躍を見せてくれた瞬間だ。演技をしていない実際のチャ・テヒョンは、さらに遊び後頃に溢れていたし、どんな人とでもすぐに仲良くなった。さらに、エピソードをリードして作る素晴らしい調和を見せてくれ、たった1回の出演だけでレギュラーのような印象を与えた。映画の中のキャラクターが実際のチャ・テヒョンに完璧に加えられた瞬間。そして、チャ・テヒョンは「ダメなんです」と叫びながら、KBS「ハッピーサンデー-1泊2日」(以下「1泊2日」)に行った。

キム・スンウ

「1泊2日」で共演している俳優。
「1泊2日」のシーズン2には、キム・スンウ、チャ・テヒョン、チュウォン、オム・テウンなど様々な俳優たちが出演している。リアルバラエティにまだ慣れていない俳優たちが多く出演しているため、「1泊2日」は予測不可能な事件が起きることが多く、そのような状況の中でキャラクターを決める必要があった。この様なシーズン2でチャ・テヒョンは、彼独特のいたずらをして事件を起こし、その分、制作陣と出演者にやられる役も担当している。シーズン2の序盤はチャ・テヒョンが何かを起こしてみんなから仕返しされるというストーリーの軸を担当した。また、数日前に放送された「島村音楽会」では、面白い格好で水槽の中に入り、島村の人々を笑わせた。俳優と芸人たちの間でもすぐに仲良くなり、時には自分が前に出て笑いを誘う。映画「風と共に去りぬ」での彼は、自分が前面に出て観客を笑わせたり、女優と呼吸を合わせる代わりに、男優たちがたくさん出る作品で、キャラクター全員を引き込んで大騒動を起こす。実際、映画に特別出演をしたソン・ジュンギに出演の勧誘をしたのもチャ・テヒョンだった。演技のトーンとイメージはあまり変わっていなかった。その代わり、役割が変わった。

チョン・ウチ

チャ・テヒョンがKBS「チョンウチ」で演じている役。
チャ・テヒョンは「チョンウチ」でもいたずらっぽく、冗談をよく言い、他の人々を困らせる。しかし、それは人々の前で見せる演技であるだけで、実際のチョン・ウチは自分の恋人を取り戻し巨大な陰謀を防ぐため、東奔西走する深刻な人物だ。これまでのイメージを維持しながらも、どんでん返しを見せることができるキャラクターである。また、肩の手術を受けたため、アクション演技をすることが難しいにも関わらず、彼は積極的に演じる。作品としての「チョンウチ」は残念に思える部分が多いが、チョン・ウチというキャラクターはチャ・テヒョンのイメージを維持しながらも、少し違う姿を見せることができる選択だった。チャ・テヒョンは演技をするため台本を集中的に分析するより、役に自然に馴染むことができるように努力し、似ているキャラクターを演じるが、その中で少しずつ変化を与えながら20代と30代を俳優として過ごしてきた。それがチャ・テヒョンの見えない力ではないだろうか。そして、彼は俳優としての経歴と家庭の幸せの両方を手に入れた。チャ・テヒョンはチャ・テヒョンだ。そして、幸せだ。

記者 : カン・ミョンソク、翻訳 : ナ・ウンジョン