「会いたい」大人の時間を生きる彼らの姿勢

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復讐、忘却、あるいは直面……3人の主人公がトラウマを対処する方法

MBC水木ドラマ「会いたい」の主人公は、依然として子供のようだ。14年という月日が流れ大人になったが、依然として15歳、あるいはそれより幼かった時の傷が彼らを掴んで離さない。だが、その傷が残したトラウマに対処する姿勢はそれぞれ違う。

カン・ヒョンジュン、あるいはヘリ……復讐する

写真=MBC
足を引きずって歩くようにし、時折彼を苦しませる痛みは大したことではない。目の前で絶叫しながら消えていった母親(チャ・ファヨン)、そして自身と母親を生き別れにし、自身の足を一生引きずることになったハン・テジュン(ハン・ジニ)。

彼と一緒に住むジョイでさえ耳にたこができるほど繰り返して言う。「待っても来ないなら、捨てられたようなもの」。平然を装うヘリ(カン・ヒョンジュン/ユ・スンホ)は、誰よりも平穏で冷静に見えるが、その内面にいるカン・ヒョンジュンは実は“復讐”以外には人生の目標がない、依然として傷ついた幼獣のような状態から抜け出せずにいる。そして彼は、キム刑事(チョン・グァンリョル)の車のブレーキペダルの下にコーラの缶を置くほど、自身と自身のものを守るため、また自身がひどい目にあったことへの復讐をするためならば何でもやれる人のように見える。

ドラマでヘリは、ジョイ(イ・スヨン/ユン・ウネ)を巡ってハン・ジョンウ(JYJ ユチョン)と恋のライバルになった。また、ハン・ジョンウとヘリは、実は叔父と甥の関係でもある。金の前では父子関係も意味をなくしたこの家族だったが、カン・ヒョンジュンには恋のライバルを越え、これもまた解かなければならない関係ではないかと思う。ヘリにとって本当に必要なのは逃げられないジョイではなく、彼を捨てない家族なのかもしれないからだ。

イ・スヨン、またはジョイ…悪い記憶は全部忘れた

“zoe”という言葉は、古代ギリシア語で生命、永遠の命という意味だ。15歳で性的虐待を受け、一人しかいない友達にも捨てられたイ・スヨンは、カン・ヒョンジュンの陰でジョイという名前で生きている。だが、依然として誰かが自身の手を握ることだけで驚き、偶然に性犯罪者を見て絶叫するなど、彼女は幼い時のトラウマからまったく抜け出せず、克服もできていない。

いつも「悪いことは全部忘れた」と言うが、実はジョイは保護者のヘリがいないと不安を感じることはもちろん、ハン・ジョンウによって思い出した幼い時の記憶から逃げようと努力する。さらに「そのことを覚えているすべての人を殺したい」とも言う。だからこそ、性犯罪歴のあるカン・サンドゥク(パク・ソヌ)の死で、自然と彼女に目が行くことは仕方がない。

違う顔、違う名前で記憶すらなくなったかのように生きているジョイ。だが、彼女が自分で張った防御膜がガラスのように一瞬で崩れ落ちることを描く「会いたい」の制作陣は、トラウマの解決策は時間でも、忘却でもないと主張しているように見える。

ハン・ジョンウ…きちんとした大人になるために

“クレイジーラビット”というあだ名のように無鉄砲な捜査で警察署には告訴状が溜まり、刑務所に入った性犯罪者の顔は血まみれになるが、それでも彼はそれが全部愛のためだと抗弁する。15歳頃、世の中に一人しかいない友達のイ・スヨンを捨てたという罪悪感から、ハン・ジョンウは14年間その犯人を捜すため、事件を解決するために刑事となり、家を出て彼女の母親(ソン・オクスク)と一緒に暮らしながらイ・スヨンに関連したことであれば依然として目を光らせる。

ハン・ジョンウの方法は感情的で荒いが、その根幹にあるのは過去への反省だ。また、その反省と後悔を繰り返さず、自分の過ちに責任を取ろうとする姿勢でもある。これは、逆に理性的に見えるが、その中に野獣のような本能を隠したカン・ヒョンジュンや今も傷ついた動物のようなジョイの感性と対比される。

確かにハン・ジョンウが“きちんとした大人”になるために生きてきた時間も厳しかったと思う。だが、酒によって倒れてもきちんとした大人になることを願い、自分にとって一番辛い場所を探して自分を苦しめているハン・ジョンウの努力こそがこのドラマが示す主題ではないかと思う。「誰でも逃げたり、目を背けたりすることはできるが、きちんとした大人になるためには自身の過ちを正すための努力を止めてはいけない」ということ。彼の止まらない努力がジョイはもちろん、カン・ヒョンジュンをも苦痛の時間から抜け出させるきっかけを与えるのではないかと期待している。

記者 : イ・ジョンヒ