「オ・ジャリョンが行く」イ・ジャンウ“お金が一番だった僕…今はこの仕事が好き”
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写真=MADE Mエンターテインメント
MBC新毎日ドラマ「オ・ジャリョンが行く」でタイトルロールになった俳優イ・ジャンウ
綺麗なスーツ姿のキム・ドジン(KBS 1TV「笑ってトンヘ」)でも、冷笑的な4番打者のソ・イヌ(KBS 2TV「栄光のジェイン」)でもない。むしろMBC「私たち結婚しました3」で見せた“将軍様”に近い無垢で明るい姿である。これは、MBCの新毎日ドラマ(月~金に放送されるドラマ)「オ・ジャリョンが行く(仮題)」で、イ・ジャンウが演じるオ・ジャリョンの話だ。オ・ジャリョンについてイ・ジャンウは「僕と同じ年頃の人々を代弁する若年失業者」としながら「元気な“バッカス青年(真面目で元気な青年)”のようだ」と表現した。苦労せず気楽に撮影できる財閥の息子役より、高層ビルにぶらさがって窓を拭くなど、あらゆる“極限の状況”を経験しなければならない若年失業者オ・ジャリョンには、自身の姿が50%以上反映されたと言う。イ・ジャンウは「自分らしい演技をすることは難しいけれど、努力している」とし「実は『栄光のジェイン』や『笑ってトンへ』のようにカッコつける演技は少し難しかった」と笑った。
「マクチャン?過度に表現されただけで、それも現実」
イ・ジャンウが話す「オ・ジャリョンが行く」は「毎日ドラマらしくない毎日ドラマ」だ。「ラブコメディのような感じもあるし、その中に家族の話もあるし、また毎日ドラマのように事件や事故も起きる」と彼は説明した。特に、分別のない財閥家の令嬢ナ・コンジュ(オ・ヨンソ)と若年失業者オ・ジャリョンが出会って恋に落ちる過程はイ・ジャンウも「これが毎日ドラマなのか、ミニシリーズ(毎週連続で2日間に2話ずつ放送されるドラマ)なのか紛らわしいほどだ」と言う。だが、イ・ジャンウは「僕が上手く口説かなきゃ」と付け加え、再度笑顔を見せた。彼の話に期待が高まることも事実だが、一方ではMBCの毎日ドラマを心配する声も高まっている。最近MBCの毎日ドラマが午後7時15分に時間を移動し、SBSの毎日ドラマと正面対決することになったこともその理由の一つになっている。だが、イ・ジャンウは「(SBSとの)競争は関係ない」とし「『明日に向かってハイキック』のようにヒットしたシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)が放送された時間だし、いいと思う」と大したことではないように話した。
写真=MBC
もう一つ、避けられないことが“マクチャン(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きること)の誘惑”だ。短期間に視聴率を上げるための方法としては、複雑な人間関係と刺激的なテーマを並べることが一番の策ではないだろうか。躊躇しながら投げかけた質問にイ・ジャンウは「過度に表現されただけで、それも現実ではないかと思う。現実にあり得る事件や事故のうち、一番大きいものを持ってきただけ」という言葉で自信の考えを述べた。「視聴者の好みがあるからそれを排除することはできないと思う。また、誰にでもそれなりに家族の痛みがあると思うが、それを表現するだけだ。悪く受け入れるのは矛盾ではないかと思う。たいていミニシリーズは少女漫画のようにファンタジーを見せるけれど、毎日ドラマは家族の話であるだけに現実味を持たせるしかない。マクチャンだと言いながら見ているのは、共感しているからだと思う。それで『(そのような)設定が必要だな』と思った」
欲は捨てた…“良い人”になりたい
“マクチャン”について話しながら「痛みのない家がどこにあるのだろうか」と言う彼の言葉は、正直で堂々としていた。このように彼の話し方は、簡潔ながらも的確だ。遠まわしに話すのではなく痛快に自身の考えを語るイ・ジャンウの姿は、進路を決める時にも見えた。いとこ(歌手ファニ)の成功を近くで見守っていたイ・ジャンウは「若いのにどこに行っても人々が兄さんに歓呼する姿を見て衝撃だったし、そうなりたかった。俳優以外の職業は考えたことがない」と回想した。このようにして俳優になったが、わがままな時期もあった。イ・ジャンウは“欲を出しすぎた”過去の日について「仕事の目標は“金儲け”だった」とし、「成功とともについてくる良い家と車を買うことが(仕事で)一番重要だったと思う」と打ち明けた。だが、今は違う。イ・ジャンウは「一つ、一つの作品に出演しながら期待と失望を繰り返し学んだことで一番重要なことが変わった」と語った。
「お金が第一ではなく、『僕にとってこの仕事をすることが一番幸せなこと』と感じた。俳優という職業は(演技が)上手くなければ仕事ができないし、誰かがやらせてくれなければできないことだと思った。そのような欲を捨てた後、かなり成長したと思う。今はこの仕事をしていることと、仕事をうまくやった時の満足感を楽しもうと思うようになった」
だからこそ、現在の目標は「今できる多様な役を演じてみる」ということだ。一時は「早く年をとって素敵な役、成熟した演技がしたかった」という彼は、今は「早く年をとることが一概にいいとは思わないし、今の年齢で演じられる作品をすることがいいと思う」と語った。「期待すれば喪失感も大きくなるので、あえて色々と最初から考えておくよりは、“今”ベストを尽くそう」という考えがあるためだ。
これとともに欲を出しすぎてはいけないと思うようになったと言った。その代わり“良い人”になりたいという素朴な希望もできた。以前「笑ってトンへ」で共演した先輩女優チョン・エリが手本になった。イ・ジャンウは「俳優としては与えられた仕事に最善を尽くし、人としてはこれから目標ができた時にそれを成し遂げることができ、一つの家庭の家長になれるような成熟した人になりたい」と語った。
「チョン・エリ先輩は本当に人の知らないところで良いことをたくさんされる方だ。人が知っているか、知らないかよりは、その方の気持ちがどうなのかが重要。先輩は本当に純粋に善意で他人を助けていた。一度、先輩のおかげでボランティア活動に参加する機会があったけど、僕が優しいから(ボランティア活動を)するわけではなく、そのようなことをすることで優しくなると思った。それから『本当に良い人にならなければ』と思うようになった。良い人、良い仕事をする人になりたい。僕自身が良くなるために(笑)」
記者 : イ・ミナ