キム・ギドク監督、あなたは韓国映画界の“真の勇者”です

TVREPORT |

映画「嘆きのピエタ」のキム・ギドク監督が第32回韓国映画評論家協会賞で、“真の勇者”としての面貌を見せた。

キム監督は7日午後、ソウル中(チュン)区の韓国プレスセンター国際会議場で開かれた韓国映画評論家協会賞の受賞式に参加した。大鐘(テジョン)賞映画祭議論以来、初めての公式の場となった。

まずキム監督は、観客動員数1000万人を突破した「10人の泥棒たち」と「王になった男」に対して好評した。彼は「100万人を突破したことを心よりお祝いする。映画には何の問題もない。1000万人の動員を可能にした映画人たちの努力も高く評価する」と言った。

しかしキム・ギドクならではの苦言は相変わらずだった。彼は「残念なのは、国民の厳しい生活を語る映画(「王になった男」)が、シネマコンプレックス映画館を独占し、苦しみと悔しさを訴える他の映画の口をふさいでいる。今日、アメリカのハリウッドからこちらに来たが、偶然CJ E&Mのチョン・テソン代表と同じ飛行機に乗ってきた。一緒に映画を作ることを提案するチョン・テソン代表に、『もしCJ E&Mのような配給会社が、シネマコンプレックス映画館10館ではなく、1館だけ私の映画に与えてくれるなら考えてみる』と伝えた。それが可能なら、私も彼らと手を組んで映画を作る」という公約を掲げた。

続いて彼は「メジャー映画会社たちは韓国市場の中で戦わず、より大きな市場に向うべきだ。韓国の映画産業が世界に広がってほしい。私も努力する。皆一つになってほしい」とお願いの言葉を付け加えた。

これに先立ちキム監督は「王になった男」(監督:チュ・チャンミン)の15冠で公平さの議論を巻き起こした「第49回大鐘賞映画祭」で、受賞の直前に退場して関心を集めた。その理由に対する数多くの推測が溢れ、「王になった男」が15もの部門で受賞したことが彼の機嫌を悪くしたという世論が提起された。

それだけではない。不和説が取り沙汰されている弟子チャン・フン監督に対しても言及し、注目を集めた。

キム監督は監督賞を受賞した直後「個人的に『突破口』というディレクターの集まりを主導している。しばらく休止したが、改めて始めようとしている。その集まりに『映画は映画だ』のチャン・フン監督も含まれている。現在、チャン監督の映画が出ていない状態だ。彼の次の映画を待っている。早く会いたい」と仲直りのメッセージを伝えた。

キム監督は普段からダイレクトで正直な発言で、韓国映画界への苦言を惜しまないタイプだった。この日もそうだった。そこに包容力のある発言まで加え“真の勇者”の姿を見せてくれた。

キム・ギドク監督の「嘆きのピエタ」は、韓国映画評論家協会賞の受賞式で、最優秀監督賞、女優演技賞、国際映画批評家連名韓国本部賞など、4冠に輝いた。


全体の受賞リスト

・最優秀作品賞-「嘆きのピエタ」
・監督賞-「嘆きのピエタ」キム・ギドク
・男優演技賞-「折れた矢」アン・ソンギ
・女優演技賞-「嘆きのピエタ」チョ・ミンス
・新人監督賞-「ミンクコート」シン・アガ、イ・サンチョル
・新人男優賞-「隣人」キム・ソンギュン
・新人女優賞-「ウンギョ」キム・ゴウン
・国際映画批評家連名韓国本部賞-「嘆きのピエタ」
・脚本賞-「悪いやつら」ユン・ジョンビン
・撮影賞-「10人の泥棒たち」チェ・ヨンファン
・音楽賞-「建築学概論」イ・ジス
・技術賞(美術)-「王になった男」オ・フンソク
・新人評論賞-イ・デヨン(京畿大講師)
・功労映画人賞-ファン・ジョンスン

記者 : チョ・ジヨン、写真 : チョ・ソンジン