【スターコラム】ソ・ジソブ、最初から“ソ・カンジ”? ― Vol.1

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俳優ソ・ジソブ。彼は1995年、あるジーンズブランドの専属モデル第1号として抜擢されて芸能界にデビューした、17年の経歴を持つ俳優だ。ソ・ジソブは最初から俳優を夢見ていたわけではない。水泳選手だった彼は、モデルに抜擢された後、演技の魅力にハマッてしまったケースだ。水泳で鍛えたモデル出身らしく、ソ・ジソブは筋肉質のボディで世間から注目を浴び、特にスタイリッシュだという意味の“ソ・カンジ”(ソ・ジソブだけのかっこいい感じ)というニックネームで一躍トップスターになった。もう10年間も“ソ・カンジ”で生きてきたソ・ジソブのストーリーが始まる。/編集者

NAVER スターコラム:ソ・ジソブ

性格が外向的に変わった?

最近、僕は多くの人々から性格が変わったと言われている。以前に比べて口数も多くなり、明るくなったという。だけど内気な性格自体が変わったとは思わない。ただ、演技を長くしているうちに、人々に会うことが多くなって、人への接し方が変わったんだと思う。僕の周りの仲間は僕について知っているはずだ。僕がどんな人間であるか。

僕はある瞬間、悟ったようだ。自分の性格がどれほど周りの人々の居心地を悪くさせているかについて。それを知った瞬間から少しずつ変わってきた。最初は芸能人という職業自体が僕の性格に合わなかった。「なぜ僕が人に良い格好を見せなければならないのか?」という疑問を抱いたことさえある。最近は妥協まではないけど、協議や交渉くらいはしている。そうするとスムーズにいけるから。それくらいの余裕は持っている。

ちょっと努力もした。主演の俳優が撮影現場で無口で静かにしていると、スタッフが居心地悪く思うことを知った。僕のせいで沈んだ雰囲気になってしまうのを見ていられなかった。冗談を言ったりして、楽しもうとしているうちに、現場ももっと面白くなった。少しずつ変わっていく過程にいると思う。

だが、いまだに知らない人の前では人見知りになるし、日頃はあまりしゃべり過ぎないようにしている。内気な性格なので、ストレスを自分の中で消化させる傾向がある。そこでストレス解消する僕だけのノウハウもある。それは何も考えずにぼーっとしていることだ。

頭の中で考えることが増えるからストレスも溜まるのだ。頭の中が複雑になると、運動で解消しようとしている。ただ、演技から受けたストレスは演技で解決しなければならない。自分の望む方向へ演技をコントロールできたときの喜びは、味わってみないと分からないことだ。

僕にとって本当に好きなことがもう一つある。数枚のアルバムをリリースしたヒップホップ音楽活動がまさにそれだ。僕にとってヒップホップは、本当に好きだからやる活動だ。単にカッコよさを求めていたのなら、あえてヒップホップをやらなかったと思う。

僕がこのように異なる分野に挑戦する理由は、新たな変化を求めたいという思いよりは、元々僕が好む自分の姿を世間に見せたいという思いから始まった。人々が思うイメージに固定されるより、人々が期待していなかった姿であっても、本来の自分の姿をありのまま見せたい意志が反映された。

僕の挑戦に対して「カッコいい、新鮮だ、期待するという反応」よりは、「この人はユニークだ。本当に他の人がやらない試みをする」という見方で見守って頂きたいと思う。フォトエッセイを出したように、本来の自分を見せたい、またそれを一緒に楽しみたい試みだと受け取ってくださればと思う。


最初から“ソ・カンジ”?ハンサムでスターになった?

今現在の僕にハンサムだと言ってくださる人々が多い。僕が1995年にデビューした後、2004年に「バリでの出来事」に出演するまで、9年間も無名の時期を経た。当時はチャン・ドンゴンさん、ハン・ジェソクさん、ソン・スンホンさんなど、イケメンスタイルがすごく人気を博していた。僕は当時、「俳優はやめたほうがいい」と何回も言われていた。

今になって思ってみると、本当に僕はうまく耐えてきたと思う。自分で考えても本当にうまく耐えた。人生においてチャンスが来るときがあると誰かが言ったが、僕はそのチャンスを上手く捕まえたようだ。単にラッキーだったとは思わない。それほど僕もチャンスを手にするために準備をしてきた。後輩にも時々話すことだが、誰でも熱心に準備すれば、チャンスを手にすることができる。

正直に話すと、「バリでの出来事」を撮影するときに演技の魅力を強く感じるようになった。僕の人生におけるターニングポイントと言える。当時、演技が本当に面白く、意欲もたくさん湧いた。それ以前は演技の魅力をよく知らなかった。ただお金を稼ぐ手段として思っていた面もないとは言えない。

「バリでの出来事」と「ごめん、愛してる」等の作品が連続してヒットしたことで、僕に対する人々の認識も変わった。僕だけの魅力を認めて愛してくださった。“ソ・カンジ”というニックネームもそのときに得たようだ。

俳優たちの中では「朝起きたらスターになっていた」という言葉のように、デビューするや否や、いきなりスターになったケースが多い。多くの人々が今の僕の姿を見て、僕もデビュー初期から急激に人気を得たと思われるが、実は先ほど話したように、9年間のきつい時期があった。そのとき、数多くのオーディションで落ちてしまい、別の収入源もなく、俳優をやめるかどうかの選択に迫られていた。数えきれないほど。

ドラマの成功後、“ソ・カンジ”というニックネームがつけられた後から、僕の人生にも多くの変化が生じた。人々が僕の衣装やヘアスタイルなど、様々なファッションについて関心を持って見守ってくださるという点だ。僕の行動一つ一つまで観察する。時には負担も感じる。そのニックネームを得た後からは、出かけるときにファッションやヘアスタイルなどに以前より多く気を遣うようになった。もちろん、世間が僕に抱いている期待のためだ。

“ソ・カンジ”というニックネームのおかげで、僕をカッコよく思ってくださるようだ。“ソ・カンジ”は知る人ぞ知ることだが、僕の名字の“ソ”に、カッコよさを意味する“カンジ”を組み合わせた単語だ。ときにはこのニックネームによって全国民が洗脳されたようだと思ったりする。「ソ・ジソブはいつもカッコいい」というふうに。

僕と親しい人ならよく知っているはずだが、日ごろ僕は家で気楽なジャージを着ていて、世間の期待とは裏腹に地味なタイプだ。僕にとって“ソ・カンジ”というニックネームは少し負担ではあるけど、大事なあだ名だ。世の中で僕だけにあるニックネームだから。

僕がカッコいい役だけをすると言われるときもある。だけど僕がやった作品を他の人がやってもカッコいい役として見えるのかと思うときもある。僕がどんな作品をしてもカッコよく受け取られると僕は俳優として生きていけないのだ。映画「ただ君だけ」もそうだ。決してカッコいいキャラクターではない。一人の女性だけを純粋に愛する男性だが、映画の中の姿を見るとそんなにカッコよくはない。これもやはり世間が“ソ・カンジ”というニックネームに洗脳されたせいだ。どんな役をすればビジュアルでなく演技だけを見てくださるかと、そんな思いもする。

僕はいつもオープンマインドだ。身を投げる思いでコミカルに笑わせる役も受け入れられる。気に入るシナリオさえあれば、別の魅力を披露してみたい。

また、都会的なイメージのコンクリートと僕がよく似合うと言われることもある。だけど、僕はただ空が見たいという理由一つでオフィスを移転した。一般住宅を改造した新たなオフィスは2階建ての構造だ。僕は1階を来客向けのカフェみたいな応接室にした。そこにファンからもらった写真の造形物も展示し、隣にはキッチン型のバーとソファがあり、お客さんに暖かいお茶を提供し、話し合える空間にした。

オフィスは2階だが、コンクリートの床を木の床に替えた。木の暖かさを感じるためだ。事務室からは空もよく見える。コンクリートより暖かくてよい。僕にコンクリートは似合わない。


ラーメンを食べることでさえ悩む。365日、体重調節中

僕は食べるとすぐ太ってしまうタイプなので、ダイエットと運動は必須だ。アラームは携帯電話で設定しておいて、規則正しく起きる。撮影を含め、特にスケジュールのないときは、毎日2~3時間運動する。このパターンが一日でも崩れると、すぐ体重が増える。

ダイエットのために特別な食べ物を食べる方もいるが、僕はそうしていない。ただ、日ごろ食べる量を減らす。ラーメン、チキン、ジャージャー麺などのカロリーの高いものはなるべく食べない。ラーメン一つも本当に深刻に悩んでから食べる。食べて苦しむよりは、食べないほうがいい。今はそのような苦痛に慣れている。365日、体重調節のことだけを思う。

文:ソ・ジソブ

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記者 : Kstyle編集部、編集 : ファン·ヨンヒ(イシューデイリー局長)、写真 : 51K