Vol.2 ― ジョンフン「恋愛と結婚はしばらく後に…」

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ジョンフン(John-Hoon)は2000年、男性デュオUNとしてデビューしてから13年目を迎えているが、ソウル大学歯医学部を中退したという経歴のおかげで、いまだに“オムチナ” (母親の友達の息子の中で最も勉強が出来て性格も良く、何でも出来る完璧な男)と言われている。実際にインターネット上でジョンフンの関連検索語を見ると、「ソウル大学」「勉強の秘訣」「IQ」「修能(韓国のセンター試験)点数」などが真っ先に出てくる。10年以上付きまとっている“オムチナ”のイメージから抜け出したいのではないだろうか。これについてジョンフンは、“オムチナ”キャラクターによる得と損があったことを認め、これからは固まったイメージを自ら振り払いたいという意志を強く表した。そのために彼が考えたのは、果敢な演技的変身だった。

最近韓国で新しいカバーアルバムをリリースし、約7年ぶりに歌手として本格的な活動を始めたジョンフンは、今年末まではアジアツアーをはじめ、歌手として専念するつもりだが、来年初からは俳優としてまた違う姿を見せたいと語った。いつからか、演技に対する熱望が沸き始めたという彼は、その間迷っていたコミカルな演技にも意欲が湧いてきたと語る。

「“オムチナ”という言葉は、最初から今までついているが、あえてそれを撤回する必要はないと思う。ただ、今後はそれに違うイメージをたくさんプラスしなければならないという思いはある。歌だけだとそのイメージから抜け出すに限界があるだろうし、演技で新しいキャラクターを披露する方が早いと思う。だから、今後はコミカルな演技にも挑戦したい。僕はまだちゃんとしたコメディの演技を披露したことがない。ジョンフンも壊れることができるというのをお見せしたいというよりは、最近はなんだか自分がコミカルな演技をしたらうまくやれそうな気がするし、急にやりたくなった。また、演技ほどイメージチェンジを図りやすいのもないから、自分の固まったイメージを変えたいという理由もある。どこへ行っても“オムチナ”という話ばかりだし、『またその話か』と思われるかもしれないのに、活動をやっているうちに“本当にオムチナらしい”話をたくさんすることになった。でも実はすごく意外な面もたくさんあるのに、それを見せるチャンスがなかっただけで、それを作品で表現したい」

ジョンフンは、すでに自分がやりたいキャラクターも決めていた。慶南(キョンナム)出身で、面白い方言を使う演技も可能だと語った彼は、「地方に住んでいる、すごくプライドが高いフリーターの役を演じてみたい」という希望を話した。

「シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)ではなく、普通のドラマでもそんなキャラクターが可能だと思う。ケーブルチャンネルtvNドラマ『ロマンスが必要』でチョ・ヨジョンと共演した後、コメディというジャンルに対する関心が高まった。自分に合うキャラクターのオファーを受けたら、来年初には必ずコメディをやりたい。これまでかっこいい役ばかりを演じていたせいか、なかなかオファーが入ってこない。かっこいい役もいいけど、俳優は多様な姿を見せるべきなので、自分にもこんな面があるということを証明したい」

“オムチナ”のイメージに隠された本当のジョンフンを語る

ジョンフンは自分について、まったく見当がつかないほど多様な性格の持ち主と定義した。もちろん“オムチナ”のような面もある。しかし完璧に見えるこの男、意外な面があまりにも多かった。

仕事がない時

外向的な性格ではないので、主に家で過ごす時間が多い。家では本当に死体のようだ。ほとんど体を動かさない。動く範囲がすごく狭い方だ。親が上の家に住んでいるので、食事はそこで食べている。仕事をやらない時は“クィチャニズム(面倒くさがること)”が最高なので、食事をすることすら面倒くさいと思う時もある。

人間関係

友達に会って遊んだりもするが、人間関係も狭いほうだ。学校の友達が何人かいて、芸能人の友達はほとんどいない。なぜかと言うと、どこかの席に参加するのが不便だった。でも、最近はちょっと変わってきて、以前よりあまり人見知りしない。長い間外国で生活をして見聞が広くなったこともあるし、歳もあるし、何より軍隊での2年間が、僕をだいぶ変えたと思う。軍隊では僕より10歳も若い人たちの前で、しかも僕は芸能人なのに、伏せまでやられたり、当時は本当に恥ずかしかった。でも、すべての状況を受け入れて一緒に生活していたら人見知りもなくなり、軍隊の外では何でも頑張ってやれるようになった。軍隊には二度といきたくないけど、一度は経験してみる価値があるところだ。

性格

たまたま母が書いた育児日記を見て分かったことだけど、ちゃんと歩けなかった時に、くしゃみが出て大泣きしてしまったらしくて、なんだか腹を立てていたそうだ。そのせいで気絶してしまって病院に行ったら、先生に赤ちゃんの性格が悪くて、自分が望むとおりにならないからそうなったと言われたらしい。しかも2回も。本当に変わっていて悪い子だったのに、母親がだいぶ穏やか子に育ててくれた。でもいまだに短気で、敏感な時はカッとなったりする。その一方で限りなく純粋で、物静かで、優しい時もあるし。本当に自分の中では多様な性格が内在しているようだ。

趣味

特にこれといってはないけど、最近はゴルフに興味を持ち始めた。今の活動が終わったら習ってみたい。今は家で休む時にテレビや映画を見たり、PCゲームもやる。ゲームは、あるオンラインゲームでギルド長を受けるほどの腕前?そんなにハマッてはいないけど、自分が見てもうまいと思う(笑)

酒量

お酒にはかなり強い。たくさん飲んでも酔わないし、あまり酔った風に見えない。口数は増えるけど、自宅に入る時にちゃんとパスワードを押して服を畳んで寝るから、わりと強そうだ。お酒を飲むと、“世の中が美しく見える”というか、おかしくなる。

ロマンスが必要な時

20代中盤までだった。なんだか最近はドライな感情になったと思うのが、普通は美しい女性を見ると、好意を持ったりして、うまくいったらいいなと思うのが自然なはずなのに、最近は短所が先に見えてきて、そんな気持ちになれない。まだいい相手に出会ってないからだと言われるけど、とにかく今は結婚はもちろん恋愛すらしたくない。結婚は、ちょっと先延ばしにしておきたい。以前は料理が上手な女性が好きだったけど、わざわざしょっちゅうは会わなかった気がする。悪い男かな…さぁ、自分がどんな風に恋愛をするのか、全部見せるわけにもいかないし…。

学生時代と現在の夢

学生時代は科学者、研究員になりたかった。今も確かに星を見ると特別な懐かしさを感じるし、自分が夢見たことに対する渇望がなくはないけど、今は違う道を歩み、違う夢を見ているので諦めることになったというか。後でチャンスがあったら、その分野について何かをやってみたい。学生時代、大学入学後、芸能界デビュー後、将来の夢が3度変わった。科学者または歯医者になったかもしれないけど、今の選択については後悔はしない。

収入の管理

僕の収入は、すべて母が管理している。僕は、お金についてあまり欲がない。お金は多ければ多いほどいいだろうけどそれに縛られたくないし、自分がやりたいことをやりながら生きたい思いの方が強い。だからまだ結婚願望がないのかも知れない。

ジョンフンの人生哲学

特にない。僕は多様な性格を持っているし、ひとつの価値観を持って生きるには矛盾があると思う。ただ、信じていること、絶対的なことはないという考えはある。1足す1は2と言うが、その数字という概念も、すべて人間が作ったものだし、その以前にも法則は存在した。その概念がどう成り立つかを証明しろと言われたら、実はそれを証明する方法はない。1足す1が3になるかも知れないのに、狭い視野のせいでそれを見られなくなったと思う時がたまにある。絶対的なことはなく、何だって変わり、世の中には僕たちが分からないことが大半だと思う。だから、水が流れるように、風のように生きていこうと思うのが、最近できた価値観である。逆流せずに、遡らずに、道理に従って生きたいというのが僕の望みだ。なんか道家のような発言だったけど、すごく自由に生きたいという意味だ。

修学能力試験(韓国のセンター試験)を控えている受験生たちに

1ヶ月を切った今、やれることはもうないと思う。そろそろコンディションを調整したほうがいい。12年間勉強してきた結果をテストすることなので、1ヶ月以内で勝負をかけることは無理だろう。2週間後からはよく寝て、いいコンディションを維持するのが、一生懸命に覚えて疲れた状態で試験を受けるよりいい結果を出せるだろう。分からない問題でヤマをかける時も、それでこそいい勘が働くから。ヤマをかけるのもただやるものじゃない。とはいえ、勉強を諦めろとは言ってない。特に数学や物理などは、今概念の整理をしておいても良いだろう。僕は、ピンポイントに見るのはおすすめしたくない。10年前に試験を受けたので、時代に合わないアドバイスかもしれないけど、直観的に解くのが大事だ。うん…僕の場合は、いろんな面で運がよかった。自分の感覚を信じてファイト!

記者 : コ・ギョンミン、写真 : クァク・ギョンフン