東方神起 ― “大衆性”を取り入れ“スタイル”を加えたカムバック

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写真=SMエンターテインメント
1年8ヶ月ぶりにカムバックした東方神起が、6thアルバム「Catch Me」の発売において、最も念頭に置いたのは“大衆性”だった。

5thアルバム「Keep Your Head Down」を発売した際、その音楽が“強い”と認識され、大衆とのコミュニケーションに失敗したと判断した東方神起は、当時は6thアルバムの発売を年初に前倒ししていた。

しかし、SMTOWNのグローバルツアーや東方神起の日本でのスケジュールが足を引っ張った。東方神起のアルバムの発売延期は、ある意味で一層大衆性の兼ね備えた音楽がやりたいというメンバーの考えをもう一度強めるきっかけとなった。いわゆる「HUG」のような曲をもう一度歌いたいというのがメンバーたちの考えだった。

「僕たちがどんなアルバムを出そうが、ファンは喜ぶ。5thアルバムの時は音楽があまりにも“強かった”。言い換えれば、大衆の共感を得ることが容易くはなかった。僕たちもそれは認めている。そこで、今回のアルバムには大衆性を兼ね備えることに重点をおいた。(ユ・)ヨンジン兄さんも僕たちの考えを反映するために頑張ってくれた。今回のタイトル曲『Catch Me』は、エレクトロニックサウンドに華麗なオーケストラを合わせた。また、これまで見せることのなかったダブステップとメロディーラインにも気を配り、洗練されて豊かな楽曲となった。まず、全体的にアルバムの雰囲気が明るくなった。

「人生は光っていた(Viva)」はクリス・ブラウン、ビヨンセ、ジャスティン・ティンバーレイクなど有名なポップスターを手がけたプロデュースチーム「The Underdogs」の作品であり、R&Bサウンドとポップ、ヒップホップジャンルが調和した楽曲だ。

「I swear」はチャンミンが作詞を担当し、話題となった。いつも力になってくれて申し訳ない気持ちだが、必ず守ってあげたいという東方神起のファンへの気持ちを歌詞で表現した。日本のシングルの収録曲を韓国語バージョンに変えた「I don't know」も注目を集めている。1999年にデュオ「チャニミニ」がリリースした「夢」もカバーした。原曲の初々しさを活かすためにアコースティックな雰囲気を最大限に表現した楽曲だ。

他にも今回のアルバムはチャンミンとユンホがやり取りするメロディーとアドリブが秀逸な「Destiny」、片思いの気持ちを隅に置かれている石鹸に例えた「石鹸のように」、ミディアムテンポの感性溢れるバラード曲「How are you」など収録曲の11曲がすべて親しみがあり、聞きやすい。

「大衆性と言えば、一言で“イージーリスニング”に気を配ったと思えば良い。ファンが気楽に聞けるように、11曲すべてに力を注いだ。タイトル曲が『Catch Me』だが、他の収録曲もタイトル曲にしたいほどだ」

東方神起が求めている大衆性は、音楽に限られてはいない。今後東方神起は音楽番組ではないバラエティ番組にも出演する予定だ。ラジオ、ショー番組にも出演し、積極的に東方神起をPRする。

東方神起はデュオとなり、メンバーが減ってから懸念していたのはグループのクオリティだったという。5人がやっていたコンサートを2人で埋めるというのは簡単ではないことだった。3時間以上のコンサートでチャンミンとユンホが一緒に、時には代わる代わるステージを披露することは、今となっては慣れたことだ。

「最初は途方に暮れていた。コンサートもコンサートだが、これからは二人で音楽をしなければならないという事実に途方に暮れていた。しかし、自信も得た。チャレンジ精神も生まれた。二人が互いの眼差しだけで通じられる信頼も、心の中で芽生えた」

東方神起は来年のデビュー10周年を迎え、特別なイベントも準備している。まだ具体的な計画は出ていないが、東方神起の10周年を念頭に置いているというのがメンバーの考えだ。それがアルバムの形となるか、コンサートの形となるかはまだ構想中であるため、詳細を述べることはできないが、ファンと触れ合いたいという気持ちには変わりがない。

東方神起は日本でコンサートの規模を増やし、ドームツアーもやってみたいという。また、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンなど世界的にも有名なスターたちがライブを行う会場でコンサートを開くことも夢だという。ワールドツアーが現実になったみたいに、彼らの夢が現実となる日も遠くはない。

記者 : カン・スンフン