Vol.2 ― 「応答せよ1997」ソ・イングク“生意気なことを言って申し訳ありませんが、あなたは僕を救いました”

OhmyStar |

写真=JELLYFISHエンターテインメント

tvN「応答せよ1997」ユン・ユンジェ、「スーパースターK」優勝者から役者になるまで

もう3年。ソ・イングクが私たちの前に現れたのは、3年前だ。

もちろん、小学生時代から歌手になりたかった少年は蔚山(ウルサン)に住んでいたが、実際に歌手になったのは2009年オーディション番組「スーパースターK」の優勝者になってからだ。中学校のとき、フェスティバルでステージに立つと、近所の女子中学校から彼の顔を見にきたりしたが、今は大勢の人の前に立つことになった。

tvN「応答せよ1997」は、歌手のソ・イングクは演技もできるということを見せたドラマだ。彼が演じたユン・ユンジェは、リアルな訛りだけアピールするキャラクターではなく、恋に目覚めた1997年を基点に現在までの話を主導する人物だ。確かに蔚山出身で、自然な訛りは大きい長所になったはずが、知るべきことは全部知っている26歳が演じた18歳思春期少年の切ない感情の表現も印象的だった。

ソ・イングクの1997年、初めて歌手を夢見た

ソ・イングクにも1997年は特別だった。「関心がなければ手も出さない」という彼は、歌に魅了された。10歳だった彼は、キム・ジョンミンの「悲しい口約束」を聞いて「僕もあの人のように上手に歌いたい」と初めて思った。中学校のときは、従兄弟の兄から「歌が下手だ」と言われて泣いたこともある。だが、学校の祭りで初めて多くの人の前で歌を歌った後からは「僕にもできる」という自信がついた。

写真=CJ E&M
歌手になることを反対する父には「フィットネスセンターに行く」と嘘をつき、母の支援で実用音楽学院に通っていたソ・イングクは、夢にもう少し近づくために20歳にソウルに来た。友人の家を転々とし、2坪ほどの狭い部屋で暮らした。「スーパースターK1」の第3回オーディションに合格するまで父には参加したことさえ内緒にした。

「23歳まで父は僕のことを情けなく思いました。今は『忙しくて寝る時間もない』と言ったら親は『それはいいことだから熱心にしなさい』と言います。息子が幸せだから親としてはそれが一番幸せなわけです」

だが、家族とは絶対に仕事の話は深くしない。一時は、親が記事を検索することさえやめさせた。「スーパースターK」で優勝してから、厳しい家庭環境を克服し、歌手として成功した彼のストーリーを「鳶が鷹を生む」というふうに書いた記事に疲れた彼は、いつも家族が傷付くのではないか心配したという。

数々のシノプシスから「応答せよ」を選んだ理由は、シン・ウォンホ

「スーパースターK」がソ・イングクを歌手にさせたとすれば、「応答せよ1997」のシン・ウォンホプロデューサーは、彼をオーディション出身の歌手に留まらない役者にさせた。放送局のオーディション番組出身者は、別の放送局で活動することが難しかったとき、ソ・イングクにKBS 2TV「男子の資格」合唱団のオーディションを受ける機会を与えたのが当時演出者であったシン・ウォンホプロデューサーだった。偶然にもそんな彼と、ソ・イングクが出発した放送局で再開し、ヒット作を作り出したわけだ。

「シン・ウォンホ監督は、僕が厳しかったとき、重い壁を崩してくれました。今回は、その恩返しをしようと、『ラブレイン』終了からたくさん入ってきたドラマのシノプシス(ドラマや舞台など作品のあらすじ)から『応答せよ1997』を選んだわけです。でも、ドラマがヒットしてまた恩恵をこうむることになりました。

監督にメールで“命の恩人”と言ったら、「命の恩人ならこれからあなたの人生に責任を持たなければならないはずだが、僕はそういう人間ではない」と言いました。それで「人生に責任を持つのは自分自身でしょう。監督は僕の命を救って下さったから恩人です。生意気なことを言って申し訳ありません」と感謝の挨拶をしました。そしたら「だから上手くやってよ、お前~」という返事が帰ってきました(笑)」

写真=JELLYFISHエンターテインメント
ソ・イングクは、シン・ウォンホプロデューサを愛するしかない理由として“情熱”を挙げた。ある日は、シウォンがユンジェを蹴るシーンを撮る前に、あえて「どれだけ強く蹴ればユンジェが飛んで行くのかを確認しなければならない」と言い、チョン・ウンジに自身を蹴るように注文した。結局抜群の体力を誇るチョン・ウンジに蹴られ、遠くまで飛んで行ったという。

「先週ウンジと『M COUNTDOWN』で『応答せよ1997』のOST(劇中歌)を歌うときも、監督が控室まで来て応援し、録画してモニタリングまでしてくれました。これから恩返しする方法は、僕が成功することでしょう。これから監督が何をしようと、一肌脱いで協力します。カメオでもよければ行きます」

「応答せよ1997」には、クーポンが登場する。ユンジェをいつもこき使うシウォンが特別に発行する“何でもしてあげる”魔法のクーポンだ。すべての撮影が終わって放映終了まであと2話だけを残した今、ソ・イングクに希望するクーポンがあるのか聞いてみると、「このドラマを作ったすべての人と『一緒にする』クーポンを使いたい」と話した。1997年を共にした彼らと必ず一緒にしてみたいことは素朴にも「皆で映画を観ること」だった。

記者 : イ・ヒョンジン