「応答せよ1997」ケーブルテレビのドラマでなければならない理由

MYDAILY |

写真=tvN放送
ケーブルチャンネルtvNドラマ「応答せよ1997」がブームを巻き起こしている。

最終回まで2話を残している「応答せよ1997」は、ケーブルテレビのドラマとしては大ヒットと言える最高視聴率4.7%(AGBニールセン・メディアリサーチ基準)を記録し、話題を集めている。

主演を演じる新人女優Apink チョン・ウンジとソ・イングクは、瞬く間にスターダムを駆け上がり、今月8日には韓国のSBS「GO Show」に出演して“応答カップル”として紹介された。ケーブルドラマの人気を地上波からも認められたのだ。

このように「応答せよ1997」が大ヒットすると、最初から地上波ドラマとして制作すべきだったという意見まで上がっている。地上波だったら視聴率はさらに高かっただろうし、さらに話題を集めていただろうという意見だ。「応答せよ1997」が地上波ドラマだったが、本当にここまで話題を集めていただろうか?

まず、視聴者はチョン・ウンジが演じるソン・シウォンとソ・イングク演じるユン・ユンジェを見ることはできなかっただろう。韓流スターや人気アイドルが少なくとも一人ずつは出演している最近の地上波ドラマで、彼らのキャスティングはとても冒険的な試みだったからだ。二人のキャスティングに対しイン・ウォンホPDは制作発表会で、「このドラマのキャスティングのコンセプトは、『PDがおかしくなった』です」と話した。

認知度が低いのはもちろんのこと、演技力さえ検証されなかった二人をキャスティングしたのは、ケーブル放送局としても異例のことだった。もちろん、PDの「おかしくなった」キャスティングは大成功し二人の演技は好評を得たが、地上波だったら放送自体されたかどうかわからない。

リアリティのある台詞も同様だ。「応答せよ1997」に登場するキャラクターが使用する方言が混ざった言葉使いは、硬い地上波では想像もできないことだ。実際、SBSドラマ「根の深い木」の場合、「ふざけるな」という台詞ひとつで放送通信審議委員会の注意対象になった。

もちろん、きれいな言葉使いは目指さなければならない部分だ。しかし、「応答せよ1997」に登場するスラングは、俳優たちの生き生きとした演技とストーリーの面白さを引き出す秘密兵器だった。ソン・ドンイル(ソン・ドンイル)の罵声が混ざった全羅道(チョルラド)の方言と、カン・ジュニ(INFINITE ホヤ)の姉役として登場したパク・ジユンの刺々しい釜山(プサン)方言は、放送後に視聴者たちの好評を得た。

何人かの登場人物は、誕生すらしなかったかもしれない。同性の友人が好きなゲイ少年カン・ジュニや、AVマニアのト・ハクチャン(ウン・ジウォン)は、未成年者への影響を考慮してなどの理由でキャラクターが誕生しなかっただろう。しかし彼らは劇中、今の10代たちの抱える悩みを暗すぎない程度に表現した。

90年代を代弁する思い出の品々も同様だ。直接的に登場はせず、通り過ぎるように登場したドラマの中の品々は、視聴者に90年代の思い出を蘇らせるのに十分だった。当時、一世を風靡した8.15コーラやカムチギ・ソーダ、GUESSのTシャツなど、細々とした小道具でドラマのリアリティを高めた。しかし、このような小道具も地上波だったらPPL(Product Placement:テレビ番組や映画に特定会社の商品を小道具として登場させること)を理由にテレビに登場することは難しかっただろう。

「応答せよ1997」は序盤の心配とは異なり、なかなか見ない名作だという評価を得ている。もちろん、地上波で放送されていたら、さらに多くの視聴者がドラマを楽しむことができただろうが、作品は大きく異なり魅力も半減していただろう。地上波よりもう少し自由に描きたい話を表現できるケーブルテレビだったからこそ、「応答せよ1997」がこれほどまでに愛されたのではないだろうか。

記者 : チョン・ヒョンジン