ドラマ一本が世の中を動かした。韓国が1990年代のもの懐かしさに夢中になっている。第1世代アイドルH.O.T.とSECHSKIES(ジェクスキス)、ポケベル、ウォークマン、たまごっち、DDR(ダンスダンスレボリューション)……。

tvNのドラマ「応答せよ1997」が蘇らせた思い出である。そして、人生を変えた一人の男もいる。主人公ユン・ユンジェ役のソ・イングクだ。「SUPER STAR K」のソ・イングクから、俳優ソ・イングクになった。

ソ・イングクは1日、「応答せよ1997」の撮影を終えた。インタビュー当日にエレベーターが故障し、彼は5階まで歩いてきた。汗をだらだらと流しながらも「運動にもなったので、逆に良かったです」とにっこり微笑んだ。釜山(プサン)クァンアン高校の純情派“フンナム(癒し系の男)”ユンジェ、まさにそのものだった。

“違うようで似ている”二人の男。ソ・イングクとユン・ユンジェに同時に会った。「応答せよ1997」の中で流れる90年代の歌のタイトルを借りて質問をしてみた。いわゆる「応答せよソ・イングク」Part.2である。

「I'm Your Girl」S.E.S.―「私の彼氏に」Fin.K.L(ピンクル) ： 90年代歌謡界の最高のライバルガールズグループS.E.S.とFin.K.Lは好きだったのか？どちらがもっと好きだったのか？

「S.E.S.とFin.K.Lが好きじゃなかった男なんているだろうか。正直Fin.K.Lがもっと好きだった。永遠の“ヒョリ姉さん”だ。理想のタイプではないけれど、好きだ。理想のタイプは特にない。芸能人の中ではよく分からない。

可憐で内助の功的な、女性らしいスタイルが好きだ。事務所は嫌がると思うが、結婚は早めにしたい。偶然新しいドラマ(MBC『息子たち』)で結婚した男性を演じることになった。できちゃった結婚をしたというキャラクターだ。ユンジェみたいなフンナムではないけれど、可愛い男だから愛してほしい」

「エソンイの愛」ヤンパ ： ユンジェは初々しい初恋をした。もちろんソン・シウォン(Apink チョン・ウンジ)に対する気持ちは初恋で終わらなかったが……。ソ・イングクの「エソンイの愛」は？

「誰にでも初恋はある。僕も経験がある。もちろんユンジェほどではない。ユンジェのような男は現実にはほとんどいないと思う。シウォンに対するユンジェのような愛はまだ経験したことがない。現在彼女はいない。いい人ができたら恋愛したい。公開恋愛はしない。バレないようにしてみるつもりだ」

「ブスコンプレックス」Young Turks Club ： ユンジェは寝ても覚めてもシウォンだけを愛しているという点を除けば、弱点がない。ソ・イングクはどうか。弱点およびコンプレックスがあるのか。

「ユンジェは勉強もできて完ぺきだ。僕は顔にコンプレックスが多い。とても多い。左右がアシメトリーでよく腫れるタイプだ。7月に撮影した時にも顔がひどく腫れて、緊急措置をとった。ジャンパーを3着も重ねて1時間くらい汗を流した。汗が出るとよくなる。

口も気に入らない。鼻溝が短いのに突出型で、唇も厚い。キスシーンの時には困る。僕は何もしていないのに、監督に『準備しすぎ』と指摘されたこともある。それで唇を中に入れたら今度は『今回は待ちすぎ。キスシーンがそんなにしたいのか』とまた指摘された。監督は『これからキスシーンを撮影する時は、唇が見えないようにしたほうがいいと思う』と言ってくれた。思ってみればメリットでもある。無理やりキスをする悪い役には僕の口がぴったりだ」

「背反の薔薇」オム・ジョンファ―「いい人」TOY(ユ・ヒヨル) ： ユンジェは自身の感情に素直な男だ。シウォンが好きだという感情を素直に表現した。ソ・イングクも素直なタイプだと聞いた。率直だから裏切られた経験は？ソ・イングクもユンジェのような「いい人」なのか？

「僕は素直な人間だ。好き、嫌いがはっきりとしている。だから人によっては“いい人”だと感じるだろうし、また他の人にとっては“悪い人”でもあると思う。親しい記者から『率直すぎる態度は毒になる』と言われたこともある。

率直な性格のせいで損もした。プライベートの席で『恋愛しないのか』と聞かれて『しなくちゃ。僕、女性が好きですから』と言った。その言葉が『ソ・イングクは女好きだ』という噂で戻ってきた。でも偽りながら生きたくはない。素直な心で頑張って生きたい」

「その度に」TOY ： ソ・イングクは俳優として認められている。音楽に対する欲も強いが、歌手ソ・イングクはまだ物足りない面が多い。「その度に」どう克服するのか？

「音楽は聴けば聴くほど、毎回違う感じがする。同じ曲でも、時間の経過や感情によって違う感じがする。数ヶ月前はたくさん悩んだ。僕に合う歌のスタイルを探すための悩み？“音楽に対する思春期”と表現してもいいと思う。

『応答せよ1997』を撮影しながら安定を取り戻し、すべての面で成長した。最近発表したチョン・ウンジとのデュエット曲『All For You』がいい反応を得ている。気に入っている曲なのでとても嬉しい。アルバムはコンディションが最適になれば出したい。今年になるかもしれないし、今悩んでいる。歌手ソ・イングクとして認められるアルバムを作りたい」

「We Are The Future」H.O.T. ： 歌と演技を同時に手に入れた。これからチャレンジしたい分野は？自分自身が夢見ている芸能人ソ・イングクの将来は？

「映画でかっこいい演技をしてみたい。かっこいいキャラクターではなく、抜群の演技を披露するかっこいい俳優になりたい。どんな配役でも関係ない。アクション、恋愛など、様々なジャンルの映画に出演してみたい。乞食や不良など、個性の強い役もいい。新人賞も受賞したい。素晴らしい方々が多いから自信はないけど。

俳優としての姿を完ぺきに見せることはできなかった。『応答せよ1997』は僕にピッタリなキャラクターに出会ったケースだ。もし演技が下手だったらチャンスがこなかったと思うが、多くの方々が愛してくれたおかげでまた新しいドラマに出演することになった。ユンジェというキャラクターを演じながら希望も見つけた。ソ・イングクは限りのない人間だ。引き続き見守ってほしい」

「Without You」1TYM ： ユンジェはシウォンなくしては生きられない男だ。ソ・イングクは？

「チキンなくしては生きられない。本気だ。本当に好きだ。1週間に1回は必ず食べる。以前チキンを食べるのに1ヶ月の小遣いを全部使い切ったこともある。チキンのCMのオファーが入ると？ありがたい。“応答せよチキン”とか？とにかく歌＆演技なくしては生きられない。二つのうち、片方を選ぶとしたら？という質問をよく受けるが、僕にとっては両手のうち、片方を切りなさいという話と一緒だ。二つとも大切だ。ファンも同じだ。本当に感謝している。大変な時にはファンを見て元気を出す。

『応答せよ1997』の監督も欠かせない。僕の恩人だ。監督のおかげで地上波放送(2010年KBS 2TV『ハッピーサンデー－男子の資格』の『ファミリー合唱団』)に進出することができた。『ラブレイン』以来、キム・チャンモのような助演のオファーがたくさん入って来た。監督が今回はケーブルチャンネルでドラマをするからと呼んでくれた。ゴミを拾う役でもいいと思っていたのに、主人公を任せてくれた。また恩を受けた。監督、本当に愛しています」


「もうさよなら」015B ： 終了まであと1話残っている。シウォンの夫が誰なのか、ヒントをくれるとしたら？最後に「応答せよ1997」の視聴者に伝えたい言葉は？

「教えてあげたいけど、結末は最大の秘密だ。僕も最後の台本をもらう前までは知らなかった。主演なのに。カカオトークで監督に『あまりにも気になって眠れない。どうか教えてもらえませんか』と頼んだ。それでも教えてもらえなかった。

どんな俳優にも最高の作品がある。今後、どんな作品をしても『応答せよ1997』が僕の代表作だ。ユンジェの『マンナジマカ(会わないようにしようか、という意味の慶尚道方言)』も最高の名セリフだ。視聴者の心に『応答せよ1997』が永遠に残ってほしい。ユンジェのことも長く覚えていてほしい」