Vol.1 ― 「応答せよ1997」イ・シオン“チョン・ウンジさんの演技力には驚きました”

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「正直アイドル歌手が主人公だと聞いて期待していませんでした。ケーブルドラマだから成功したところで…と思っていました。でも『応答せよ1997』はそんな僕の偏見を打ち砕いてくれた作品です」

俳優イ・シオンはケーブルチャンネルtvNドラマ「応答せよ1997」で、口数が多く、明るくておせっかいなパン・ソンジェ役を演じた。パン・ソンジェはかっこいいキャラクターではないが、劇中のキャラクターをつなげて面白さを与える、なくてはならない存在である。劇中の仲間役を演じた俳優たちとも年齢差を越えた良いチームワークを見せている。

しかし共演する俳優がソ・イングク、Apinkのチョン・ウンジ、INFINITEのホヤなど、歌手やアイドル出身の若い俳優だったため、出演オファーを受けて不安に思ったこともあるという。あらすじがとても気に入って出演を決めたものの、演技経験もない歌手たちの出演を心配していたようだ。またケーブルドラマだったため、あまり期待していなかったとイ・シオンは言う。

アイドル歌手が主人公!

「作品を選ぶときに、シナリオを読んで決めるタイプですが『応答せよ1997』は本当にシナリオが良かったので、どうにかしなくちゃと思った。でもストーリーを牽引していく男女の主人公が歌手だったので、どうすればいいか分からなくなってきました。でも僕の心配とは裏腹に見事に演じています。今は僕をリードしてくれているような気がします」

特に彼はチョン・ウンジの演技に驚いたと言う。彼は「チョン・ウンジという人がヒロインを務めると聞いたとき、チョン・ウンジが誰なのかも知らなかったんですよ。初めて聞く名前だったし、アイドル歌手だと聞いたので、見れば分かると思っていましたが、見ても彼女が誰なのか分からなかったのです。一体この人の正体はなんだろうと気になりましたね」と語り、チョン・ウンジとの初対面の瞬間を回想した。

期待もしなかったチョン・ウンジは、ずば抜けた演技力を披露した。彼は「チョン・ウンジは演技が本当に上手でした。期待していなかったので、彼女の演技を見てすごく驚きました。チョン・ウンジは演技の才能があると思います。演技を学んでもそこまで見事に演じられる人はいません。演技の才能があるのは間違いないと思います」と語った。

続いて劇中のユン・ユンジェ(ソ・イングク)に片思いをするカン・ジュニ役のホヤについて「ホヤはジャケット写真の撮影の経験があるからでしょうか、かっこよく映ることができるカメラの角度を知っています。ゲイというキャラクターを見事に演じてくれています。例えば、劇中のジュニを呼ぶとホヤはすぐ振り返らないんですよ。少し間をおいてゆっくりと振り返ります。こういうふうに自分と他人との差を表現します」と語った。

また彼は「ホヤは静かで分からない人です。何も聞いていないふりをしているけど、全部聞いています。本当にかわいいです。だからホヤは人気があるんだなと思いました」と付け加えた。

ソ・イングクはどうだろうか?ソ・イングクは、2009年にMnetのオーディション番組「SUPER STAR K」で優勝して音楽業界に第一歩を踏み出した。5月29日に最終回を迎えたKBS 2TV月火ドラマ「ラブレイン」で方言を見事に使い俳優として注目を集めた。そして「応答せよ1997」を通じてその演技力が認められた。

イ・シオンは「ソ・イングクは穏やかな男だと思っていましたが、実際はそうではありません。『SUPER STAR K』のときは、今より太っていて優しいだろうなと思っていましたが、自己主張が強くて頑固です。撮影現場では僕につっこみを入れたりはしませんが、撮影現場でない所では違います。チョン・ウンジと同じように、ソ・イングクも演技の才能があります。MBCのドラマにも抜擢されたと聞きました。標準語を使う役なので心配ですが、うまくやっていけると思います」と語った。

実際第1世代のアイドルグループSECHSKIES(ジェクスキス)のリーダーであり、劇中ソウルから転校してきたト・ハクチャン役を演じているウン・ジウォンについては「本物の芸能人を見ているようでした。SECHSKIESのチャン・スウォンとウン・ジウォンのファンでしたが、本当にお会いできるとは……。共演できて光栄ですし、一緒に演じられるのが不思議です」と語った。

「応答せよ1997」の俳優たちには共通点がある。それは慶尚道(キョンサンド)の方言を使用しているということ。さらに俳優たちのキャスティングにまつわるエピソードもあるという。実際チョン・ウンジ、ホヤ、イ・シオンは釜山(プサン)出身であり、ソ・イングクは慶尚北道(キョンサンブクド)の蔚山(ウルサン)出身である。そのためだろうか。彼らの方言は自然である。

「シン・ウォンホ監督は初めから方言が使える俳優の抜擢を望んでいました。そしてKBS 2TVバラエティ番組『男子の資格』でも、バンド復活のリーダーであるキム・テウォンを抜擢して彼は芸能人として生まれ変わりました。そしてもう芸能人としての活動は無理だと思っていたキム・グクジンを合流させたのも、誰も期待していなかった人物を再発見することを好むからだと思います。今回心配していたソ・イングク、チョン・ウンジを抜擢したのもこういう監督の嗜好が反映されたと思います。そして、その結果は大成功でした」


チョン・ウンジの夫は誰でしょうか?

「応答せよ1997」で初回から最終回まで最も視聴者の好奇心をくすぐっているのはソン・シウォン(Apink チョン・ウンジ)の夫は一体誰なのかということである。MBCシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「ハイキック3~短足の逆襲」でも、イ・ジョクの本当の妻は誰なのかという謎を残したまま最終回を迎えたように「応答せよ1997」もソン・シウォンの夫は誰なのかという謎で視聴者の好奇心をくすぐっている。

これについてイ・シオンは「ユン・ユンジェまたは彼の兄ユン・テウン(ソン・ジョンホ)のうちのどちらかだと思いますが、予想外にカン・ジュニ(INFINITE ホヤ)かも知れませんし……。もし僕が夫だとしたら、視聴者は怒ると思います。本当に誰が夫なのか分かりません。監督も教えてくれないのですよ。劇中のソン・シウォンが自身の夫に“オッパ?(目上の男性を呼ぶときに使う言葉)”と呼ぶシーンで、当然夫を見るわけですが、僕たちは誰が夫なのかも知らないのに、知っているかのように行動しなければなりません。特定の人を見ないようにと監督が指摘してくださいます。夫が誰なのかも知らないのに、知っているかのように演じるのが大変です」と語った。

続いて個人的にはユン・テウンとカップルになってほしいと語った。彼は「テウン兄さんとカップルになってほしいですね。兄は弟がソン・シウォンのことが好きだったことを知らない状況だったし、先に告白した方が勝者ではないでしょうか(笑) 兄は死んだソン・シウォンの姉と付き合っていたことが気がかりですが、それもソン・ジョンホさんが説得力たっぷりに演じてくれたと思います」と語った。

「応答せよ1997」はシットコムではありません!

「初めにシットコムだと宣伝したと聞きましたが、シン・ウォンホ監督はシットコムだと言われるのを一番嫌っています。シチュエーションドラマといった正劇(シリアスで深みのある内容を扱った作品)です。『男子の資格』の演出も手掛け、バラエティ番組のプロデューサーというイメージが強かったので、軽くて面白いだけのドラマだという偏見は嫌いだとおっしゃっていました。また、面白くないと視聴者はがっかりするかも知れないと思って“シットコム”という言葉に警戒しました。そして監督は無理やり笑いを誘おうとはしません。シチュエーションで笑いを誘うというのが良かったです」

記者 : コ・ギョンミン、写真 : ユ・ジニョン