チャン・ドンゴン、12年ぶりのドラマ出演で築いた地位

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先ごろ最終回を迎えたSBSドラマ「紳士の品格」で主人公キム・ドジンを演じ、12年ぶりにドラマに出演した俳優のチャン・ドンゴンは再びトップスターの地位を固めた。

17日にインタビューに応じたチャン・ドンゴンは「ドラマに出演した目的を十分達成できた」と満足感を示した。

出演作として「紳士の品格」を選択した目的は「視聴者と共に楽しむことができる作品に出演したい」という単純なものだった。

「悲劇の主人公を演じることが多く、重みがある映画に多く出演していたので自分でも飽きていました。数年前から、僕の出演作を見て観客が笑って楽しんでくれたらいいなと思っていたところ、『紳士の品格』に出会いました。このドラマに出演すれば楽しく仕事ができそうだったし、プレッシャーも克服できると思いました」

ドラマへの出演を決めてからは予想とは裏腹に成功に対する負担があったが、目的を達成できた今は気分も晴れ晴れとしている。「何か新しいことをするとき、大衆がチャン・ドンゴンという俳優にかける期待の幅が大きくなったような気がします」と満足げだ。

12年ぶりとなったドラマ出演だが、慣れるのは簡単ではなかった。長い間、映画に出演していたため、ドラマでの演技における呼吸や撮影のスピードなどに合わせるのはたやすくなかった。

最初はドラマの撮影現場に対する懸念はなかった。俳優として20年のキャリアを積んだ彼にとって演技の現場は「どこも同じだろう」という思いがあった。ところが実際は、ドラマの特性上、セリフの量が多く、撮影はスピーディーで、それまで体が慣れてしまった環境とは異なった。セリフが多いことだけでなく、細かい演出スタイルも負担となった。

何よりも一番衝撃を受けた部分はハイビジョン(HD)の威力だった。実際、第1話が放送されてから、ルックスが以前より劣るという反応が少なくなかった。ハイビジョンで放送されるドラマへの出演が初めてだったチャン・ドンゴンはHDテレビの威力を嫌というほど実感したそうだ。

ドラマの序盤では彼が演じたキム・ドジンという人物に対する拒否反応もあった。ロマンチックなほかのドラマの男性主人公とは異なり、ドジンの荒く、欲望に正直な姿が一部の視聴者には否定的に感じられた。好き嫌いがはっきりと分かれるキャラクターだという点を念頭に置いて演技した。

チャン・ドンゴンはアンチファンがいないスターとして活躍してきたが、相次ぐ出演映画の興行成績が振るわず、人々からは以前のような反応を得ることができないのが事実だ。
大作映画「マイウェイ 12,000キロの真実」の失敗は今でも胸が痛む。

同作品については、「時間が経ってから、あらためて評価を受けなければならない映画ではないか」と思っている。9ヶ月にわたる撮影期間中、生命の危機を感じるほど撮影はハードだった。失敗は映画の運命かもしれないが、「マイウェイ 12,000キロの真実」は再評価を受ける余地があると考えている。

大作映画への出演が続き、一部ではわざとドラマを避け大作映画だけを好んでいるという話まで出たが、「わざとドラマ出演を避けようとしたことは一瞬でもなかった」という。
「常に出演したいと思う作品がありました。映画も大作だからという理由で出演を決めたことは一度もありません。大作の場合、むしろ意識的に避けたいという思いがあったほど大きな負担がありました」と振り返る。

「紳士の品格」は視聴者と共に共感できるドラマの魅力をあらためて知ることができた作品で、今後も良い作品があれば出演したいと思っている。

以前は人々の目に自分自身がどのように映るかに対し恐怖を抱いたこともあった。「紳士の品格」もチャン・ドンゴンにとっては新たな挑戦だったが、「演技をしながらそのような恐怖はかなりなくなりました。また別の新しいことがあれば挑戦してみたいですし、できるという勇気も湧きました」

記者 : 聯合ニュース