「ファントム」イケメンスターから名俳優に生まれ変わったソ・ジソブ

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写真=SBS
俳優のソ・ジソブがSBSドラマ「ファントム」で一人ニ役をこなし、イケメンのスターから演技の上手い名俳優に生まれ変わった。

「ファントム」は、昨年放送された人気ドラマ「サイン」の制作陣が再度タッグを組んで制作した作品で、放送前から出来のいい犯罪ドラマになるとの期待が高かった。韓国社会で問題になった事件を題材にし、数々のどんでん返しで話題を集めた「ファントム」が幕を下ろした。「ファントム」が名品ドラマになった理由としては、安定したストーリーと俳優の名演技が挙げられるが、その中心にはソ・ジソブがいた。

ドラマ「ファントム」は、私たちが住む世界とは別の世界であるサイバー世界、つまり最先端機器の中に隠れている人間の秘密を暴き出すサイバー捜査隊員の哀歓と活躍を描くドラマだが、その過程でサスペンスやパズルを解くような楽しみを与える。特に、悪質な書き込み、DDos攻撃(標的となるサーバーのサービスを不能にする攻撃)、高官の汚職問題、成績至上主義など、韓国の社会問題を題材にすることでよりリアリティーを与えた。

サイバー犯罪が主な題材であっただけに用語も難しい上、パソコンの前で繰り広げられる犯罪の現場をきちんと再現することは、簡単なことではなかった。だが、ソ・ジソブは“チャドナム(クールな都会男)刑事”キム・ウヒョン役と“天才ハッカー”のパク・ギヨン役を完璧に自分のものにして演じきり、名俳優という評価を受けた。

一人ニ役は、ややもすればドラマのクオリティを下げる危険性があるが、ソ・ジソブが演じたキム・ウヒョンとパク・ギヨンは、警察大学に入学して違う道を歩むが、自身の方式で世界の不義と戦うキャラクターだ。エリート刑事のキム・ウヒョンとしらじらしい天才ハッカーのパク・ギヒョンが極端に違うキャラクターであることを考えると、相当難しく集中を要する演技だったと思われるが、彼は努力を重ねた結果、表(外見)はキム・ウヒョンだが、内面はチョ・ヒョンミンにナイフを向けるパク・ギヨンを完璧に演技した。

これまでソ・ジソブは、端正すぎるルックスのせいで誰にも負けない演技力にもかかわらず、“イケメンスター”に過ぎなかったと言っても過言ではない。だが、今回は「ファントム」でこなした一人二役で、俳優ソ・ジソブの見事な演技力を十分アピールすることができた。

演技は一人でするものではなく、相手の俳優によってより輝くこともできるという点を考えると、クァク・ドウォンとオム・ギジュンに出会ったのは彼にとって幸運だった。サイバー捜査隊のクォン・ヒョジュチーム長を演じたクァク・ドウォンは、最初はキム・ウヒョンをいじめる憎いキャラクターだったが、ギヨンの正体を知ってからは敵から信頼できる同僚に代わり、面白みを与えた。セガングループのチョ・ヒョンミン会長に扮したオム・ギジュンは、“怪物”としてのカリスマ性溢れる姿でソ・ジソブと激しく対立し、ドラマへの集中度を高めた。

「ファントム」で私たちはソ・ジソブという名俳優を再発見した。いつになるか分からないが、次の作品でまた違う姿を見せるソ・ジソブに出会える日が待ち遠しくなる。

記者 : キム・ギョンミン