嫌韓?反韓?持続可能な“K-POPの発展”?

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キム・ホサンチーフプロデューサーの「K-POPの海外進出成功戦略に関する論文」

1994年にKBSに入社し、「ビタミン」「経済ビタミン」「青春不敗1」「ミュージックバンク」などを経て、現在は「ギャグコンサート」「国民トークショー アンニョンハセヨ」「青春不敗2」「全国のど自慢」のチーフプロデューサーを務めているキム・ホサンさんが、2012年に漢陽(ハニャン)大学言論情報大学院の修士論文として「K-POPの海外進出成功戦略に関する研究」を提出しました。

「oh!my star」は記事を通じて、11人のK-POP専門家とのインタビューが載せられたキム・ホサンさんの論文を再構成して紹介します。韓流に続いてK-POPが一つの文化現象として捉えられている現在、K-POPの成功要因を振り返り、これからの発展の可能性も探りたいと思います。/編集者コメント

K-POP歌手がアジアを越え、アメリカやヨーロッパ、南米で歌って踊ることが、今は珍しい光景ではない。しかし、一部ではK-POPの持続可能性に疑問を提起する人もいる。現在K-POPは世界的に愛されているが、確かに“占領”というような表現は適切ではない。中国、香港、日本の文化と肩を並べて消費されているだけに、障害要素を排除し、“持続可能なもの”にすることが韓国の音楽シーンにおける課題となっている。

不合理な契約慣行や収益配分のような弊害をなくすためには?

5人の東方神起が3人のJYJと2人の東方神起に分かれたことや、KARAが分裂の危機を経験しながら表面化した問題は、不合理な契約慣行と収益配分だった。ほとんどの音楽企画会社は、2009年6月以降、大衆文化芸術家標準専属契約書によって専属契約期間を7年に制限した。最初は反発が強かったが、3年経った今はだいぶ定着している。

「大型企画会社と呼ばれるほとんどの会社は、この部分の根本的な問題を解決したり、していると思われる。色々な議論や点検を経て確定した公正取引委員会の標準専属契約書や、その他の法律、制度などが私たちを含めた制作会社ではすでに適用されていると思う」(JYPエンターテインメント、パク・ジニョンプロデューサー)

作曲家の勇敢な兄弟は、理不尽な契約慣行に対する認識を高めるためには、標準契約書から一歩進んで契約事項を透明に公開しなければならないと指摘する。勇敢な兄弟は「収益配分も透明な過程を経て人々や芸能界などを通じて公示されれば、弊害がかなりなくなるだろう」と話した。

“K-POPも幅を広げなければ”vs“まだ開始段階”

現在K-POPの海外進出は、日本に偏っている面がある。日本での売り上げは、海外での売り上げの約7割を占める。ジャンルもまた偏っている。“K-POP”と言うと韓国アイドルの音楽を思い出すことが一般的であるほどだ。勇敢な兄弟は「いくらクオリティが高くても幅が狭いことは致命的な弱点」としながら「一日も早く音楽の範囲を広げて、刺激的でトレンディーな音楽ではなく、より良いものもたくさんある、レベルの高い文化だということを認識させる必要がある」と語った。

一方、Wonder Girlsなどをアメリカに進出させたパク・ジニョンプロデューサーの考えは少し異なる。パクプロデューサーは「基本的に今始まったばかりのK-POP市場の拡大に対し、現在の状況で収益の出る地域が限られていると断定することはまだ早い。次第に広がっている段階だと思う。アメリカのように原則も、規模もある市場で成功した事例があれば、このような問題は一気に解消されると思う」と語った。

「K-POPが一部の国に偏っており、ヨーロッパ、南米にはあまり影響していないため、すぐにその人気が消えるだろうという意見には同意できない。K-POPを100メートル競走に喩えれば今は10メートルしか進んでいない状況だ。これから市場を切り開いていく段階だし、それだけ発展の可能性が大きいという話だ」(CUBEエンターテインメント、ホン・スンソン代表)

写真=SMエンターテインメント

韓国でも、海外でも“違法なダウンロードは根絶すべき”

K-POPがチリ、ブラジル、ペルーなど南米でも大人気を集めているが、この地域ではレコードではなく、YouTubeの動画とKBSワールドなどでK-POPに接している。ヨーロッパでもK-POPのレコードを専門的に販売する所はない。このため海外では韓国よりも違法なダウンロードが盛んに行われている。

「メジャーの音楽企業がないことが一番直接的な原因になっていると思う。メジャーの音楽企業が世界各国に支社を置いているなら、自社が販売する音楽の権利を守る努力をするだろうし、自然に違法なダウンロードも少しずつ消えると思う」(作曲家、勇敢な兄弟)

「実質的に私たちにとって一番アクセスが良く、人口的側面から市場が大きいと言える中国の違法なダウンロードは、本当にすごい。文化的な違いもあると思うし、中国政府が積極的に阻止しない限り、ダウンロードできるプラットホームがいくらできても規制しにくいだろう」(CJ E&M音楽公演事業部門シン・ドンヨン次長)

多く人々が海外の違法なダウンロードの拡大への憂慮を表明した中で、SMエンターテインメントのキム・ヨンミン代表は「韓国で行われる違法なダウンロードを根絶することが何よりも急がれるべきだ」と言い、実名制の拡大を提案した。キム代表は「拡大したインターネット実名制がその役割を果たせなかったとの理由で放送通信委員会は今年から廃止することを考慮していると聞いた。もっと強力に施行せず(実名制が)廃止されれば、コンテンツの違法なダウンロードはより盛んに行われるだろう」と語った。

K-POPの“持続可能な”発展を夢見る

“韓流”も人気だが“反韓流”や“嫌韓流”もまた無視できない。実際に日本では嫌韓流に対する漫画本が出版され、デモも起きた。もともと文化というものは自然に流れるべきだが、韓流の経済的収益が大きくなったことで、韓流に対しては誰もが商業的に接近することが一番大きな問題だ。

「他の国とのコミュニケーションが消え、一方的に自国のコンテンツの販売だけに集中することは、日本や中国をはじめ、アジア各国に反韓流の動きを呼び起こす可能性がある。実際に自国の文化発展を阻害するという理由で反韓流の動きがすでに起きている」(CJ E&M音楽公演事業部門シン・ドンヨン次長)

クォン・オソク、KBSコンテンツ事業局長はK-POPが自然に定着するためには、双方向で交流が行われなければならないと語った。クォン局長は「実際にコンテンツビジネスでも一方的な流れは反作用を産んでいる」としながら「中国国営テレビのCCTVと韓国の放送通信委員会に当たるSARFTが、韓国も中国のドラマを大量に購入することを頻繁に要求している」と付け加えた。

記者 : イ・オンヒョク、写真 : ミン・ウォンギ