T-ARA所属事務所の“残酷な対応”…被害者はT-ARAの全メンバー

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写真=コアコンテンツメディア
SNSやブログで、T-ARAのファヨンに対するいじめ疑惑が次々に提起されているが、その証拠として公開された映像に映るメンバーは、誰一人として当時の状況について認めていない。

今回の事件の最大の被害者であるファヨンも、ネットユーザーが拡散している映像に対して、真偽をはっきりと話せる立場にあるにも関わらず、何の対応もしていない。

今回の事件ではっきりとした事実はいくつかしかない。その1つが、7月28日にメンバーがTwitterに残したコメントだ。

キュリとファヨンを除く他のメンバーは“意志”という単語を使って、異なる文章だが似たような意味のコメントを掲載していた。しかし、ファヨンは他のメンバーとは相反する意味で、メンバーのコメントを念頭においたようなコメントを書き込んだ。これを見たネットユーザーは、T-ARA不仲の疑惑を提起し、この不仲説はファヨンのいじめ説にまで発展した。

コメント内容だけをみると、当時放送で突発的な行動をしたファヨンに対して、他のメンバーが自身の本音を表したものであり、ファヨンは怪我で調子が悪く、意志だけで生放送をするのは無理だったと解釈できるコメントを残している。ここまでは、デビュー3年目のアイドルだが、まだ子供である彼女らの口喧嘩に終わるようなものだった。

しかし、社会的にいじめ問題や校内暴力の問題が浮上している今の時点で、適切ではないコメントだったことも明らかだ。また、SNSがたくさんの人が見ている空間であることを考えれば、あえてそのようなコメントを掲載すべきだったのかどうかも考えものだ。

通常なら、ここで終わるようなものだ。

「まだ幼いメンバーたちが、社会的な影響力を考慮せずコメントを掲載し、そのコメントに該当するメンバーもこれに対して不適切に対応しました。これに対して、T-ARAメンバーたちにもう一度十分に注意し、二度とこのようなことが起こらないよう話しました。互いに誤解から生じれば、たくさんの会話を通じて解決していけるようにします。

また、ネットに掲載されたいわゆる“いじめ証拠動画”は、編集版で誤解を招いています。このような映像によりメンバーたちは大変戸惑っています。T-ARAのファンたちは、もう一度T-ARAを信じてください。今回の騒動に対して、今までT-ARAを声援してくださったファンの方々に改めて深く謝罪申し上げます。より成長したT-ARAになるように頑張って参ります」

この程度の謝罪が、チームの不仲を収める標準的な対応になるだろう。しかし、コアコンテンツメディア(以下、コア)の対応は、一般的な対応とは違っていた。

T-ARA所属事務所の“残酷な対応”…被害者はT-ARAのメンバー

写真=コアコンテンツメディア
「T-ARAを補佐するスタッフの辛さや、自身の位置に似合わない行動で、持続的にチームの雰囲気を損ねたメンバーをこれ以上受け入れられないと判断しています。T-ARAのメンバーそして家族として問題を解決しようとしましたが、これ以上は持続できない状態となったため、問題となったメンバーを脱退させます。ただし、脱退となるメンバーの将来のために、条件なしで契約解除をします」

このような事務所の対応は“残酷な対応”と言わざるをえない。事務所としてはT-ARAを守るために一人を犠牲にするのは甘受できるだろう。しかし、そのように犠牲になった一人の少女は「将来のために」という但し書きはあるものの、二度と立ち上がれないかもしれない。

また、今ネットの世論は徹底的に弱者の見方だ。特に、今回のように弱者には対抗できない相手に一方的な“処分”(表現が過激ではあるが、適切な単語が思い浮かばない)をされると、さらに団結して弱者の方から主張し対応する。これが“アンダードッグ効果”だ。

そのためだろうか。結局、T-ARAはすべての活動を暫定中止し、広告から降板されたり、再契約の延長が不透明になった。しかも、3年間の歌手活動の頂点となる初の単独コンサートも、このままでは中止となる可能性も出てきている。

状況は完全に変わった。所属事務所の未熟な対応が、多くのネットユーザーが団結するきっかけとなった。ファヨンは、あえて自身の心境を明かさなくてもネットユーザーが代わりにやってくれる状況になっている。

しかし、ここでもう一度この問題を深く考えなければならない。数少ない事実を持って、ネットユーザーという巨大な集団が、将来に無限の可能性を秘めている少女たちを窮地に追いこんでいるのではないか、自問しなければならない。

小を殺して大を生かすという論理に反対したくはないが、そのような論理で6人の少女の人生を左右できる権利は誰も持っていないと強調したい。

記者 : チョン・ヨンジン