「ヨンガシ」ゾンビを思い出させる韓国式パニック映画

OSEN |

映画「ヨンガシ 変種増殖」が殺人寄生虫という独特の題材で、韓国式のパニック映画を完成させた。感染症ではないが、集団的に感染し、理性を失って、群れをなして動く人々はゾンビを連想させる。

キム・ミョンミン、ムン・ジョンヒ、神話(SHINHWA)のドンワン、イ・ハニらが出演する映画「ヨンガシ 変種増殖」は、27日午後ソウル往十里(ワンシムニ)CGVで行われた、メディア配給試写会で初公開された。「ヨンガシ 変種増殖」は2012年夏シーズンの期待作の一つで、約30億ウォンの制作費が投じられた作品である。

映画は致死率100%の変種寄生虫ヨンガシ 変種増殖の出現により、人々が次々と死んでいくという、緊急パニック状況に陥った韓国を背景に、感染した妻と子供たちを守ろうとする父親の孤軍奮闘する様子を描いた。

しかし、映画の本当の主人公は“ヨンガシ 変種増殖”である。ヨンガシ 変種増殖に感染した人々の姿をリアルにとらえた予告動画がネットで話題になるほど、寄生虫ヨンガシ 変種増殖の存在は人々の好奇心をかきたてる。

ヨンガシ 変種増殖は昆虫の身を宿主とする細い針金のような流線型の動物で、水を通して昆虫の体の中に浸透し、産卵期になると脳を操り、自ら水に飛び込ませて自殺させる。映画の中に登場するのは、昆虫ではなく人の体を操る変種のヨンガシ 変種増殖。あたかもミミズのようにうねうね動く形と、人間の体から出てきた姿が非常に恐ろしい。

ヨンガシ 変種増殖が実際に人間に感染する可能性があるかどうかは重要ではない。映画は“十分にありえる”という前提の下で、経済的にきつい状況にある元化学科教授、強い母性を持つ母、仕事への熱意がない刑事、正義感溢れる研究員など、様々な人物像が描かれる。

パニックに伴うキャラクターの性質の変化は、映画をリードしていく力である。厳しい生活で、家族に怒ってばかりだった主人公ジェヒョクは、パニックを通じて家族の大切さに気づき、家族を救いたいという目標を最後まで貫こうと走る。兄の家族を苦境に陥れた憎たらしい刑事ジェピル役のドンワンは、時間が経つにつれ、だんだん事件の鍵をにぎる重要な人物になっていく。

韓国初の感染パニック映画だが、映画の色んなシーンで、これまでたくさんパロディされてきたゾンビ映画を連想させる。群らがって押し寄せる感染者の外見と、威嚇的ながらもコミカルな動きは、ホラー映画のホットなジャンルであるゾンビ映画と重なり、韓国式のパニック映画に仕上がっている。

映画は韓国で7月5日から公開される。

記者 : チェ・ナヨン