Vol.1 ― 「太陽を抱く月」ナム・ボラ“主人公の妹役ばかり演じてきた”

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女優ナム・ボラの成長が始まった。

ナム・ボラが出演していたMBC「太陽を抱く月」の放送は終了したが、その人気はいまだに冷めていない。ドラマの人気でCMなどへのオファーが相次いでいるナム・ボラは、「太陽を抱く月」での“お姫様”のイメージから抜け出し、新しいキャラクターに挑戦していきたいと考えている。

演技を通じて自分の名を知らせたいという彼女は、映画「サニー 永遠の仲間たち」やドラマ「太陽を抱く月」の連続ヒットで、役者とは何かということを感じられる成長を見せた。

「前は、オーディションに落ちたら、その悔しさから“次のオーディションには必ず受からなくちゃ”という気持ちでがんばってきました。でも良い作品に出会えて“演技が上手い女優にならなければ”と思うようになりました」

ナム・ボラ自身も「太陽を抱く月」の撮影に参加する前の第4話までは、出演している子役の演技に見入ってドラマを楽しんでいたひとりの視聴者だった。だが、子役のチン・ジヒからのバトンを受け取る直前になってプレッシャーを感じ始めたという。彼女は、そうしたプレッシャーを拭い去ることができず、前半は不自然な演技でバッシングを受けることになった。

「私の演じる役が登場し始める『太陽を抱く月』第6話が放送されたとき、どうすれば残りのシーンでうまく演じていけるだろうと、悩んでました。そうして2、3日過ごしていたら、このままだと自分自身を消耗していくような気がしてきたんです。それでプレッシャーを払いのけて、ひたすら演じることだけに集中しました。周りで何か言われても気にしないで貫こうと思ってからは、インターネットの掲示板もほとんど見ませんでした」

ナム・ボラは、ドラマ前半に自身の演技の評価をよくチェックしていたという。「探したりしなくても周りの人が、画面キャプチャーを撮ってわざわざ送ってくれたりして、知りたくもないのに全部見ることになりました。ある程度の反応は、予測できましたが、実際に目の当たりにすると穏やかな気持ちではいられませんでしたね」

うまく演じなければならないというプレッシャーと一部のバッシングに最初は戸惑っていた彼女も、回を追うごとに安定した演技を見せていった。

彼女が演じたミンファ姫は、憎みきれないキュートな人物である。当初は悪女キャラとして登場したが、守ってあげたくなるような可愛らしさで悪女になりきれない、人間らしいキャラクターを上手く表現してみせた。

「撮影に入ってしばらく経って、現場にも慣れてくると自然な演技ができるようになりました。少しだけミンファ姫の明るい性格に似ているところがあると思います。でも何かを手に入れるためにミンファ姫のような執着はしません(笑)」

ミンファ姫は悪女になりきれない複雑なキャラクターであるだけに役作りにも悩んだが、それだけナム・ボラにとって愛着のあるキャラクターとなった。

「わかりやすい性格のキャラクターだったらその一面だけを演じればいいのですが、ミンファ姫はトラウマがあるけれども、それを外に出さないんです。でも私はそれを表現しなければならなくて、難しかったです。その過程でたくさん学ぶことができましたし、少し成長できた気がします」

演技についてはっきりとした考えを持っているナム・ボラは、現在満23歳。たくさんの変化と試みが必要な時期だが、童顔な彼女はたくさんの“妹キャラ”を演じてきた。大人の女性を演じてみたいと、悩んだこともあったという。

「幼く見えるのか、主人公の妹役ばかりを演じてきました。“妹キャラの女優”という記事まで書かれました。ソ・ジソブさん、チョン・ジョンミョンさん、キム・スヒョンさんなど、有名な俳優の方々の妹役は、大体演じました(笑) もちろん、脇役ではなく主役を演じてみたいという気持ちもあります。でも私が一人でドラマを引っ張っていくことができるのかと、考えたりもします」

彼女は「ドラマを引っ張っていけるのかについて考えること自体、自信がないことの表れだと思う」と、主役として出演することを、強くは求めていない。「もう少し妹キャラを演じてみてから主演に挑戦してみたいです。責任が問われるので軽い気持ちでお受けすることはできません。監督やスタッフ、出演者に支えてもらって初めてテレビに映る仕事なので、もっと努力していかなければならないと思っています」

記者 : ソ・ヒョンジン