ソンジュン「演技力を鍛える時が来たと思います」

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この男は魅力的だ。先日終了したケーブルチャンネルtvNのドラマ「美男バンド~キミに届けるピュアビート」(脚本:ソ・ユニ、演出:イ・クォン)でバンド“眼球浄化”のリーダークォン・ジヒョク役を演じ、女性視聴者を虜にしたソンジュン(22)をソウル某所でインタビューした。

終始真剣な目付きと演技に対する情熱を見せながら目を輝かせたソンジュンは、不良を連想させる見た目のように整えられていない魅力を持った男だった。同時に、謙遜した態度で演技に対する情熱をアピールし、今後、俳優としての可能性がうかがえるすばらしい人物でもあった。とても楽しかった彼とのインタビューを公開する。

「『美男バンド~キミに届けるピュアビート』というタイトルが恥ずかしかった。僕はイケメンでなないですから」

187cmの長身と反抗的な外見で“眼球浄化”のリーダークォン・ジヒョクというキャラクターに100%成り切ったソンジュンは、ドラマの中心人物として流れをリードしながら視聴者に強い印象を残した。

「個人的にすごく良かったです。楽しく撮影しました。ユ・ミンギュ、L(エル)、ヒョンジェ、キム・ミンソクなど“眼球浄化”のメンバーがみんな同じ年頃だったし、各自のキャラクターに完全に成り切っていたのでシーンごとにいたずらをしたり、殴ったり、物を壊したり……本当の友達みたいに楽しく撮影しました」

ソンジュンはドラマの正式タイトルを初めて聞いた時、「ちょっと恥ずかしかった」と告白した。自分をイケメンだとは思っていないことや、ドラマのテーマは“イケメン”ではないと思ったからだ。

「ドラマのタイトルが最初は『美男バンド~キミに届けるピュアビート』ではありませんでした。タイトルがそれに決まったと聞いて、少し心配しました。“イケメン”という表現で誤解されたらどうしようと。このドラマのテーマは見た目や外見ではなく、青少年の成長痛ですからね。でも6話位から何とかタイトルに馴れてきました。ちなみに僕はイケメンではありません(笑)」

彼は強いカリスマ性で視聴者を魅了させたイ・ミンギと共に演技した1、2話を思い出しながら、初めて主演になったことで抱えた負担に対しても打ち明けた。ドラマでは“眼球浄化”のリーダーであったチュ・ビョンヒが亡くなり、ジヒョクがリーダーになる。

「負担感がすごかったです。最初はイ・ミンギ先輩とやりとりする感じだったのに、ビョンヒが亡くなってからは僕一人でリードしなければならない状況でした。喪失感や空虚感が非常に大きかったです。でも幸い視聴者の反応が熱狂的だったから、みんなで頑張ろうと心に決めました。そして『体力管理に気を使おう』『最後まで頑張ろう』とお互いに励まし合いました」


新人らしくない新人?演技に対する情熱は他の追従を許さない

一方、ドラマのOSTに参加して歌唱力をアピールし、才能が多い俳優であることを証明したソンジュン。

「美男バンド~キミに届けるピュアビート」のOST「Wake Up」に参加したことに対してソンジュンは「マイクがよかったと思う」と謙遜しながら「公演シーンを撮影した時、スリルを感じた。『この感じを味わいたくてバンドをするんだ』とも思った。いつかはバンドを組んでみたい」との抱負を明らかにした。

そして歌唱力のほかに輝いたのは、新人であり新人らしくないソンジュンの演技だった。彼は昨年のSBSドラマ「私に嘘をついてみて」で演技力を認められたことがあるなど、モデル出身の22歳のソンジュンは、新人らしくない新人だ。

「はい。僕はまだ若いです(笑) KBSのドラマスペシャル「ホワイトクリスマス」で初めて演技にチャレンジしましたが、何も分かっていませんでした。すごく怒られたんです。怒られながらもっと上手になりたいと思いました。『私に嘘をついてみて』が終わってからは『いい俳優、いい演技とは何か』に対してたくさん悩みました」

ソンジュンは「クォン・ジヒョクというキャラクターに共感するため、キャラクターと同じ年に僕が持っていた悩みやその年ならではのアイデンティティを思い浮かべようと努力した」と話し、クォン・ジヒョクを演じながら感じたのは、演技に対するさらなる情熱だと告白した。

「焦りました。すごく認められたいのに、誰も分かってくれないような気がしました。でも僕、モデルとして活動をしていた時にも運が良かったし、自然に演技を始めることになったこともラッキーだったと思います。今は演技者として上手くなりたい気持ちが強くなりました。演技力を鍛える時期が来たと思います」

普段映画を観ながらいつも「どうすればあんな表現が出来るかな?」「どうすればあんなに没頭出来るんだろう」と思っていると言う彼に「演技に対して欲張り」だと言うと、彼は笑いながら「もちろん最近はどうすれば演技が上手くなるかを主に考えているけれど、心のどこかには『恋をしたい』という気持ちもある」とずるい言い方をした。


「ユン・ジェムン先輩は、演技とは何かを教えてくれたすばらしい俳優」

ソンジュンは今年下半期に公開される予定の映画「私は公務員だ」(ク・ジャホン監督)で映画界にチャレンジする。彼が挙げた演技の師匠はこの映画で共演した俳優ユン・ジェムンだ。

「現場で色々学んでいます。それはすべての俳優がそうだと思います。たくさん見て、たくさん聞いて。今回の映画もそうでした。ユン・ジェムン先輩の演技を見ながら、彼の演技は本当にリアルだと思いました。まるで『演技はこういうものだ』と体で言っているようでした。僕は『お~』と感嘆しながら見ました。実際に顔を合わせる僕の演技の師匠です(笑)」

力を入れる演技ではなく、体でする演技を学んだというソンジュンは「頑張れば僕もいつかは俳優という名前に相応しい人になっているだろう」と言った。

「チャンスがあればたくさんの作品に出演してみたいです。経験を積めば自分が出来る役がどんどん増えるんじゃないかと思います。今はチャレンジしなければならない役柄がたくさんあります。努力すれば僕に出来る役柄の範囲も広くなり、こなせる範囲も広くなると思います。成し遂げたいです」

ソンジュンに抱負を聞くと「俳優って『いい演技をする、いい俳優になりたい』のほかには言うことが余り無いと思う。僕もそういう俳優になりたい」とし「視聴者に話し掛けたり、メッセージを送ったりする“コミュニケーション”をする俳優になりたい」と意欲を示した。

最後に「話したいことはあるか」と聞いたところ、面白い答えが返ってきた。彼は「入隊した中学校時代の友達がいるんですが、もうすぐ除隊します。ホンチョル、早く除隊してね!」と22歳の青年の姿でインタビューを終えた。

記者 : チョ・シニョン、写真:ソン・ヒョジン