ハン・ガイン「依然として初恋の象徴だなんて、ありがたいです」

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写真=キム・ジェチャン
くりっとした大きな目、高い鼻筋、明るい笑顔まで。本当にこんなにきれいな人がいるのかと思った。一般人の顔と体をつまらないものにしてしまうこの絶世の美人が本当に人間なのかと思い、頬をつねってみようとした瞬間、「あっ」「あれ!」など各種の感嘆詞とともにこれまで我々が知らなかった大ざっぱな「素の彼女」が登場した。

今年でデビュー10年目、結婚7年目を迎えた女優ハン・ガイン。内面になかなかの力を持っている彼女が素直なキャラクターソヨンに扮し、スクリーンに訪れる。

初恋の相手?後10年はできるんじゃないかな……

ハン・ガインは映画「マルジュク通り残酷史」(ユ・ハ監督)以降8年ぶりに「建築学概論」(監督:イ・ヨンジュ、制作:Myoung Film)でスクリーンに復帰した。8年前にもヒョンス(クォン・サンウ)とウシク(イ・ジョンジン)の初恋の相手ウンジュに扮し、男性たちの憧れだった彼女。今回の映画も例外ではなかった。

初恋の象徴になってしまったハン・ガインは「観客は私にあるファンタジーを持っている。そのため、初恋の相手役を頻繁に演じるようになったと思う」と話を始めた。

彼女は「『建築学概論』のソヨンは初恋のイメージをいろいろアレンジできるキャラクターだった。観客はスジが演じた過去のソヨンが私と似ていると思うかも知れないが、私のリアルな姿は現在のソヨンに近い。この前も話したけど、私は初恋の相手に(映画のように)悪い女として記憶されていないことを願っている」と付け加えた。

「『建築学概論』というタイトルとジャンルがちぐはぐでしょう?私も同じ。硬いタイトルと感傷的な中身の意外性、見た目では想像できないリアルな毒舌セリフの意外性、こんなに違う面が多いのに断定してしまうなんて残念」とし「実際、結婚7年目のアジュンマ(おばさん)が依然として初恋の象徴だなんて、面白くて嬉しいことだ。後10年程度は初恋の象徴として活躍できるんじゃないかな」と大きく笑う姿に「この女優、かなり手ごわい相手だな」と思った。

映画の公開後、観客に一番注目されると思われる「悪口シーン」について聞くと、ハン・ガインは「同じ女性であるあなたが見てもすっきりしたんじゃないか」と聞き返した。

「(これまでそんなイメージじゃなかった)私がそんなセリフを発したから、みんな『あれ?』と驚くんだと思います。映画での悪口は現実的に心から沸き出るものですよね。私も人間だから、時には重苦しい心を叫んだり悪口を言ったりして気晴らししたいです」

彼女はソ・ヨンを通じて20~30代の女性を表現しようとしたと言った。「私と同じくらいの年齢の女性たちは、人生を生きていくのがつらくて、どこかに逃げたいとよく言っています。悪口という手段を通じて観客との共通認識ができたらいいなと思っている」と説明した。

「人々は私を見てエルフ(妖精)みたいと言いますが、私はただ現実世界を生きている人間です。タフな一面も持っているハン・ガインです」


ハン・ガインはきれいなキャラクター専門?

ハン・ガインはMBCのドラマ「太陽を抱く月」で40%を超える視聴率を記録し人々の関心を集めたが、同時にあまり嬉しくない演技力議論も起こしてしまった。

「ソヨンやヨヌ、他にもこれまで私が演じたキャラクターは、全員がそんなにきれいなキャラクターではありませんでした。ソヨンは夫に傷ついて離婚しましたし、ヨヌはいきなり巫女になってしまうなど、紆余曲折が多かったです。他にも同居の末に子供を生んだり、中絶手術も受けたり、男に捨てられたり。本当に苦難の多い演技生活だったんですよ。ここまで言ってもきれいなキャラクター専門だと言われるかしら(笑)」

ハン・ガインの美しい見た目に対する偏見が演技力議論を生んでしまった。しかし彼女は「実際はボーイッシュで大ざっぱな性格なのでみんな驚く。でもその瞬間は人は『あれ?ハン・ガインにもこんなイメージがあるんだ』と別の視点で私を見てくれて、すぐ忘れていた」とし「でも挫折しない。『絶えず私が殻を破るところを見せてあげる』と心を決める。私は悪役も好きで、コミカルなキャラクターも好きだ。今回の映画も私の殻を破るために始めた」とポジティブなエネルギーを見せてくれた。

また彼女は「『太陽を抱く月』の出演を決めた当時、『私がしてもいいのか』とすごく悩んだ。とにかく最善をつくしたし、その分、視聴者に愛されて嬉しかった。このドラマのお陰で少したじろいでいた私の演技の幅が広くなった気持ちだ。私は出演してよかったと思う。よい試みだったし、結果もよかった」と本音を打ち明けた。

「太陽を抱く月」 vs 「建築学概論」

「建築学概論」の撮影が終わるくらいに「太陽を抱く月」を始めたというハン・ガインは、特に相手役に恵まれた女優である。オム・テウン、イ・ジェフン、キム・スヒョンにチョン・イルまで。年上から年下の男性俳優に恵まれた能力者。羨ましさ半分、嫉妬半分で相手役との呼吸について聞いた。

「もう、テウンさんったら現場でたくさん寝てるんですよね(笑)」

「建築学概論」でスンミンを演じたオム・テウンは、みんなの予想通り素朴で気取っていない人だった。ハン・ガインは彼について「スンミンとオム・テウンは本当にシンクロ率100%だった。まるでシンクロ率という言葉が彼のために存在するように。キャスティングもオム・テウンさんが一番最初に決まっていたし、私がシナリオを初めて読んだ時にもスンミンの姿にオム・テウンという俳優がオーバーラップした。彼と初めて会った時にすぐ『スンミンだ』と思ったほどだ」とオム・テウンを褒め称えた。

また「芝生に横になって眠っているスンミンのそばで彼の顔をなでながら涙を流すシーンがあった。オム・テウンさん、本当にいびきをかきながら眠っていた。撮影の時には少し敏感になる私と違って、テウンさんは余裕があった。だからか意外に呼吸がぴったり合った」と完璧な呼吸を誇った。

しかしハン・ガインは、キム・スヒョンやチョン・イルなどの年下の俳優との撮影の時には緊張していたと告白した。オム・テウンの話をしながら晴れた笑顔で笑っていた彼女は、「年下との撮影は大変でした」とため息をついた。

ハン・ガインは末っ子として育ったし、弟がいないので年下の男性俳優になれなかったと説明した。「年上の人や妹には慣れている。『一緒に食事でもいかがですか』と簡単に近づける。でも男性後輩との関係は何か難しかった。先輩である私がリーダーシップを発揮しなければならないのかと悩んだ」と話した。

彼女は特に「フォン役のキム・スヒョンさんには撮影当時はずっと敬語を使っていた。彼が弟だと思えると、ヨヌというキャラクターに没頭できないだろうと思った」と慎重な一面を見せた。

「『太陽を抱く月』のヨヌは私と年の差があるキャラクターなので負担を感じたのが事実です。正直に言うと、『建築学概論』での演技のほうがはるかに楽でした。ソヨンが30代ですから、実際の私とよく合っていたと思いますよ(笑)」

記者 : チョ・ジヨン